パンと岐大と
令和元年、有志の呼びかけで発足。現在はパン作り初心者から経験者まで約40名が所属している。活動は月1回。メロンパンやクロワッサン、ベーグルなどメンバーの希望に合わせて1~2種類を作る。令和4年秋に「パンのミニマルシェ」などイベントに初出店し、「グルマンヴィタル」とコラボレーションした商品を販売。Instagram(@gu_pan_lab)やTwitter(@gu_pan_lab)などSNSにて情報発信中。
試行錯誤しながら、職人との本格パン作りに挑む。
令和元年度に行われた応用生物科学部主催のイベント「パンシンポジウム」で、当時の部長が「グルマンヴィタル」の鈴木政裕社長と出会い、いつか一緒に何かできたらという話になりました。そのご縁で昨年夏に勉強会を開いていただき、鈴木社長からパン作りの技術を学びました。高加水パンの作り方や生地のこね方を教わり、技術の高さに驚かされると同時にパンの奥深さを感じました。
その後、「パンシンポジウム」で行われた「パンのミニマルシェ」で「グルマンヴィタル」とコラボレーションしたメロンパンを出すことに。研究会の皆でアイデアを練り10種類の案を出しました。主婦を購買層として想定し、最終的に「雑穀メロンパン」や「じゃこチーズメロンパン」など5種類に決定。「グルマンヴィタル」の工房でパンの製作をさせていただきました。苦戦したのは、本物のメロン果汁を入れた「生果汁入りメロンパン」です。生地がだれてしまい、成形できませんでした。応用生物科学部のメンバーが、メロンが持つ酵素が原因だと推測し、作り方を変えることで、無事においしいメロンパンが完成。身近なところで研究が生かされることを身をもって学びました。
販売の「現場」を通して、人とのつながりを肌で感じる。
出店準備にあたって悩んだのは、鈴木社長に「自由に考えてみて」と声をかけられた価格設定です。私たちは、学生だから応援してもらえるし、値段でパンを諦めることはないとポジティブに考えていました。しかし、知人や周りの大人とも相談 する中で、相場や売れ残るリスクなども考慮。バランスを考えて、当初想定していた値段よりも減額して200円で販売しました。
また、「パンのミニマルシェ」に出店する他店と比べると知名度が低いので、お客さんを呼び込むためにとにかく奔走しました。大学構内、カフェ、子育て支援施設、柳ケ瀬商店街で毎月開催されているイベント「サンデービルヂングマーケット」など、学内外に赴いてチラシの設置をお願いしました。私たちが考えたパンを買ってもらえるかどうか不安でしたが、当日は販売開始2時間で150個完売。多くの方から「おいしかったよ」という声をいただけて達成感はひとしおでした。
コラボレーションや出店を通して感じたのは、行動する大切さです。これまでは面白そうなことでも飛び込めなかったのですが、今回関わった多くの方から励ましの声をいただき、一歩踏み出してみると意外となんとかなるのだなと思いました。また、ブースに来てくださった方から別のイベントへの出店を依頼されるなどうれしい出会いもありました。まちの人と交流する経験は過去になかったのでとても新鮮でした。今後も勇気を出して行動に移すことを大切に、オリジナルパン作りなど新たな取り組みに挑戦していきたいです。