大学案内

日本一の地域中核大学を目指したミッション・ビジョン

岐阜大学は、総合知を活かした研究力を強化し、その強みをさらに伸ばすことで、地域中核大学としての役割を果たすことを目指し、中期のビジョンと戦略を策定しました。

法人統合で強みを強化し、地域社会の変革と発展に貢献する

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 岐阜大学は地域の中核大学として、産業・まちづくり、ものづくり・食づくり、医療づくり、人づくりの分野で、地域科学部、工学部、応用生物科学部、医学部、教育学部などがそれぞれの強みを活かしながら、ステークホルダーとの共創のもと、地域社会への貢献を果たしてきました。そして2020年4月、岐阜大学は名古屋大学との法人統合を果たし、新たに東海国立大学機構(以下 東海機構)を設立しました。この統合により、これまで築いてきた岐阜大学の強みをさらに強化し、地方創生に貢献するという目的を一段と明確にすることができました。当初は、統合という大きな変革に対して不安を感じる向きもありましたが、岐阜大学だけでは成し得なかった研究力の強化や社会との連携を深めることができ、本学が掲げるミッションとビジョンの実現に向け自信を深めることができたことで、学内の構成員が目を輝かせ、躍動しているように感じています。
 現在、日本の大学は18歳人口の減少に直面していますが、岐阜大学は統合によって先の4つの分野にわたる強みをさらに高め、この地域に新たな産業を興すことで地域全体の改革と発展に貢献し、そこから大きな人の流れを起こそうと考えています。人の流れが起きれば新たな若い住民が増え、その結果18歳人口の増加をもたらし、地域全体の教育の発展につなげていけると考えています。すぐれた研究から生まれる成果が地域を変えていくこの循環を、私は「ミ・ラ・イ・エ構想」(Migration, Laboratory, Innovation, Education)と名づけ、岐阜大学の価値創造のモデルとして位置づけています。
 統合により、岐阜大学の研究力の強みが一段とレベルアップした例として、まず糖鎖生命コア研究拠点をあげることができます。糖鎖は、1970年代に木曽真先生が始められた高いレベルの研究を起点として発展してきました。そして2020年の法人統合により、糖鎖分野における名古屋大学の強みと岐阜大学の強みが補完し合うとともに、共通する部分では相乗的な効果を生むことで、世界トップレベルの研究拠点となりました。2023年には岐阜大学キャンパスに「糖鎖生命コア研究棟」が完成することで研究基盤がさらに強化され、今後、国家プロジェクトに発展することも期待されています。もう一つは、航空機の生産技術開発と人材育成を目指した、航空宇宙研究教育拠点です。当初は、航空宇宙生産技術開発センターとして岐阜大学と岐阜県が内閣府の支援を得て発足したものですが、2020年からは東海機構直轄拠点としてスケールアップし、現在はさまざまなものづくり企業に貢献できるサイバー・フィジカル・ファクトリーを実現するための研究開発も進めています。研究環境の面では、両大学が保有しているコアファシリティと呼ばれる大型の機器を、ともに使えるようにすることで研究者に大きなメリットをもたらしています。
 教育は、岐阜大学が強みとするところです。統合により、名古屋大学とともにアカデミック・セントラル(教育基盤統括本部)を立ち上げて、まずは数理・データサイエンス、STEAM教育、英語教育などの教養教育のコンテンツと評価などの共通化に取り組みました。今後は専門教育の共通化が進むことを期待するとともに、学びの質の担保とその評価、学生や教職員に対する評価などの精度を高めて、より高いレベルの教育を実践するための仕組みづくりに取り組んでいるところです。

地域共創は、新しいビジョンと戦略を方向づけるキーワード

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 2022年、東海機構、岐阜大学、名古屋大学は、新しいビジョンと「教育・人材育成」「研究・価値創造」「社会連携・産学連携」「国際展開」の4つの事業を推進するための戦略を策定しました。岐阜大学は、東海機構が掲げる「Make New Standards for The Public」というミッションを共有し、その上で「学び、究め、貢献する」という本学の理念のもと、ビジョンを「地域共創、特色ある研究、イノベーション、教育を戦略的に推進し、地域と人類の課題解決に貢献する『地域活性化の中核拠点』となる」と定め、ビジョンを実現するための戦略を策定しました。
 研究に関して強調したい取り組みが、糖鎖生命コア研究拠点の発展とともに、医学・獣医学・薬学による先進医療と創薬、応用生物科学による食・農を加えた革新的なライフサイエンス拠点の構築です。名古屋大学医学部附属病院は臨床研究中核病院であり、本学の附属病院もそれに準じた病院であることから、創薬を効率的に推進できる環境にあります。さらに本学を中心として周りの関連病院一体となった臨床研究体制をつくりつつあります。地域一体型の臨床研究体制を構築し、やがては東海地域全体が一つの病院として機能することで、そこから新たな知見を生み出すとともに、創薬と先端医療の拠点にすることが目標です。またライフサイエンス拠点を中心に、製薬企業や食品企業などがこの地に集まってくると、そこに人が集まり新しい都市として成長していく過程でエネルギーの消費が増え、カーボンニュートラルが求められることでエネルギー関連の企業が集まり、さらなる活性化につながることも構想しています。
 教育面では、2022年に文部科学省の「地域活性化人材育成事業~SPARC~」に、岐阜大学が岐阜市立女子短期大学、中部学院大学とともに申請した「ぎふ地域創発人材育成プログラム~地域活性化を目指した知的基盤の確立~」が採択されました。今後、国立、公立、私立の大学が連携法人をつくって共通の教育プログラムをつくるとともに、地域の産官学金との連携を高め、地域に密着した学びを深めることと、地域を活性化する仕組みづくりを進めていきます。
 国際展開については、地域における中核大学を目指すからこそ国際連携・国際交流を推進しなければならないと考えています。世界から求められないものは地域でも必要とされません。世界で通用する人材こそ地域で活躍できる人材であるとの観点から、教員と学生の国際交流をさらに強力に展開していく考えです。多くのすぐれた教員や学生を岐阜大学に迎え、キャンパスの国際化を図るとともに、岐阜大学から多くの学生、教職員も海外に羽ばたいてほしいと思います。国際交流を推進する環境整備として、海外の大学との国際協定をさらに拡充していきます。すでに大学間では50大学、部局間では62大学と協定を締結していますが、今後はさらに増やしていきたいと考えています。また、国際化と教育研究力のさらなる向上を図るため、協定校のインド工科大学グワハティ校(IITG)およびマレーシア国民大学(UKM)と、ジョイント・ディグリー・プログラムとして4つの国際連携専攻を開設しています。今後は、東南アジアの協定校とジョイント・ディグリー・プログラムの開設を検討するとともに、産学連携を推進して地域まるごと国際交流を推進するプロジェクトも展開していきます。

東海機構、岐阜大学が一気に進化と改革を加速する2023年

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 2023年は、私たちにとって極めて重要な一年です。東海機構が誕生して4年目を迎え、これまで蓄えてきた力を一気に発揮し、大きく飛躍する年にしなければなりません。名古屋大学は「国際卓越研究大学」を目指し、岐阜大学は地域の中核大学としての役割を担って、ビジョンと戦略に基づいて一気にスタートしたいと考えています。まず1月にOne Medicineトランスレーショナルリサーチセンターを立ち上げます。これは本学に隣接する高速道路インターチェンジの開通(2024年予定)により、県内外からのアクセスの向上による産学連携・企業誘致の加速、岐阜薬科大学の全面移転(2028年予定)に伴う学術・ 研究拠点の強化を進め、「岐阜市ライフサイエンス拠点構想」の実現に寄与するものです。また東海機構として立ち上げたアカデミック・セントラルを中心とした教育体制と環境の確立については、教育学修環境整備をさらに推進することになります。キャンパスDXを推進するデジタルユニバーシティ構想の取り 組みとしては、教養科目、専門科目を問わず、教材のデジタル化を進めていきます。また産学連携、自治体との連携も今まで以上に進めていきますが、地域共創に貢献するためにも大学発のスタートアップ支援には一段と力を入れていきます。
 新しいビジョンや戦略の実現を通じて、若者の夢を実現する岐阜大学づくり、若者が夢を実現できる地域づくりに力を尽くしてまいりますので、ステークホルダーの皆様のさらなるご支援をお願い申し上げます。

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