チームメイトと力を合わせ、
より良い成績を目指しながら地域に貢献していきたい。

強い想いが多くの人を動かし、大規模なサッカー大会を実現

　岐阜大学サッカー部は、現在25名の部員が所属し、東海学生サッカーリーグ2部への昇格を目指して日々練習に励んでいます。また、令和3年度より「繋－仲間・地域と共に歩む－」という理念の下、地域貢献活動を始めました。ただ、地域社会のためになることがしたいという思いは強くあったものの、自分たちに何ができるのか模索する時間も必要で、具体的な活動内容がなかなか決まりませんでした。
　そんな時、学内外のさまざまな方に相談する中で生まれたのが小学校 3年生以下を対象としたサッカー大会を開催するというアイデア。サッカー大会を催すことで、子どもや保護者の皆さんに喜んでもらえるのではと考えました。部活動の大会がオフシーズンになる12月に開催することになり、スポンサーへの営業活動や、大会運営の準備を開始。全てが初めての経験だったので、顧問の上田先生に相談しながら進めましたが、FC岐阜が普段練習している芝生のグランドが会場になり、28ものチームが参加することに。さらに当日には岐阜市長も来てくださるなど、当初考えていたよりも大きな大会になりました。準備や運営は大変でしたし、課題も残りましたが、たくさんの子どもの笑顔が見られ、保護者から「ぜひ来年も開催してほしい」と声をかけていただき、本当にやって良かったです。子どもの頃は何も考えずに参加する側でしたが、その裏で大会を企画・運営されていた関係者の気持ちや大変さが分かりました。大会に協賛してくださったスポンサーへの報告資料を作っていた時、両親から「これで大人の苦労が分かったやろ？」と言われ、心から「はい」と思いました（笑）。

岐阜大学サッカー部
岩垣 心 さん（左）
徳永 悠大 さん（中央）
寺内 秀一 さん（右）

令和 3 年度キャプテンの徳永さん、ゴールキーパーの寺内さんが中心となって、子ども向けのサッカー大会を企画した。現キャプテンの岩垣さんが後輩との橋渡し役を務めるなど、ピッチ外でのチームワークも抜群。

地域貢献活動の経験が　チームワークにもつながる

　サッカー大会の運営以外では、平成29年から岐阜大学がFC岐阜と協定を結んでいる関係で、FＣ岐阜が運営するサッカースクールにコーチとして部員を派遣しています。教育学部に所属する部員が多いこともあり、僕たちも子どもと触れ合うことで学ぶ点が多いです。
　また、令和2年度からはチームの体制を改めて見直し、「総務部」「審判部」「広報部」に各部員を配属し、組織的な部活動運営を行っています。各自に役割を与えることで、責任感を持って自分の仕事に取り組んでもらい、組織をスムーズに運営することが狙いです。競技においても地域貢献活動においても柔軟に対応できるチームになりたいです。
　そして、今後はユニフォーム提供やWEBサイト制作などでお世話になっているスポンサーのためにも良い成績を残すことが大事です。「学生をサポートすることが企業のイメージアップにつながるから」と皆さんが支援してくださり、大変ありがたいのですが、競技面では期待に応えられていないのが現状。地域貢献活動での経験がサッカーにも生かされると思うので、どんどん新しいチャレンジをして両方の可能性をより広げていきたいです。

岐阜大学教育学部保健体育講座
上田 真也 准教授

　顧問・監督を務める上田准教授は「サッカー大会の運営やスポンサー獲得活動は、部員たちにとっては社会人になる前に、社会を経験する良い機会になったと思います。ただ、少しやっただけでは大きく成長できませんので、地域貢献活動を継続して、人間力を高めるとともにチームワークや競技力の向上にもつなげてほしいです」と話す。