大学案内

住むことで見えてきた揖斐川町の魅力を、多くの人に伝えたい。

2024年3月から岐阜大学地域協学センターと揖斐川町が連携して始まった「岐大生 住んでみよう!」プロジェクト。
町内のアパートに移り住んだ岐阜大学生2人が、地域の伝統文化やご当地グルメを動画撮影するなど、学生ならではの目線を活かして揖斐川町の新たな魅力の発掘に取り組んでいます。

「岐大生 住んでみよう!」プロジェクト

混雑する公共交通機関を避け、大学から車で30分の揖斐川町の春日地域で、学生がアパートに無償で住み、安心して学びや研究に取り組める生活環境を提供するプロジェクト。学生は地域イベントなどの活動に積極的に関わることで、町のにぎわいづくりに貢献することを目指している。2024年2月には揖斐川町と正式に協定を締結し、臼井さんと小島さんの2人が町内のアパートへ入居。1年間にわたり、地域活性化につながる多彩な取り組みに挑戦した。

町域の約9 割を森林で占め、豊かな自然に恵まれた揖斐川町。標高1,100〜1,300m前後の山々がそびえ、町の中央部には一級河川の揖斐川が流れている。

四季折々の美しい自然や温かい交流を通じて、1年間の暮らしでたくさんの魅力を発見しました。

はじめての一人暮らしを経験四季折々の自然に魅了された。

小島
千葉の大学を卒業後、岐阜大学大学院への進学を決め、新たに住む場所を探すタイミングで研究室の大場先生に勧められて参加を決めました。臼井さんと1年間、揖斐川町のアパートで暮らしました。最初の頃は見たことがない野生動物に遭遇して驚きましたが、今ではこの地域に広がる四季折々の豊かな自然を満喫しています。
臼井
私の実家からは程よい距離にあり、一人暮らしのよいきっかけとなりました。大学1年生の頃から「里山暮らし応援隊」というサークルに所属し、揖斐川町の春日地域で活動していたこともあり参加を決めました。サークル活動の拠点へ通いやすくなりとても便利でした。
小島
活動で特に力を入れたのは、地域の魅力を発信する動画の作成です。春日地域で昔から食べられている「菜もち」のレシピを動画撮影しました。花火大会や谷汲山華厳寺など地域のイベントや観光スポットの動画も撮影し、今後はYouTubeチャンネルの開設など、町の魅力を継続的に発信できる仕組みをつくりたいです。
郷土料理「菜もち」は、里芋と米を一緒に炊き、大根の葉を混ぜて焼いたお餅。揖斐川町の伝統的な文化や貴重な地域資源を未来に受け継いでいくため、「菜もち」レシピの動画を制作。

町の担当者とも連携し岐大生を呼び込みプロジェクトのさらなる発展を。

臼井
岐阜大学の学生に、揖斐川町に足を運んでもらおうと、サークル・同好会向けにアンケートを実施しました。「町の施設を活用してみたい」「環境調査をやってみたい」といった前向きな意見も寄せられました。今後は揖斐川町の担当者とも検討を重ね、町とのつながりを深める機会を生み出していきたいと思います。
サークル活動で訪れていた貝原棚田にも頻繁に行けるようになり、在来種の「春日きゅうり」の収穫を通じて、地域の人たちとたくさん交流できました。卒業後は食品会社に就職しますので、将来的には伝統野菜を使った新商品を開発したいと考えています。今後も定期的にこの地を訪れ、揖斐川町との関わりを続けていきたいですね。
小島
私は今年も揖斐川町に住み、プロジェクトをさらに発展させます。今年度のプロジェクト参加者は私1人ですので、Instagramなどでの情報発信やチラシの配布などを通じてより多くの岐阜大学の学生にプロジェクトを周知し、参加者を増やしていきたいです。興味がある方はぜひ地域協学センターの益川浩一先生もしくは私に声を掛けてください!
伝統野菜の栽培管理や収穫にも積極的に参加。地元の方々との温かい交流が地域に溶け込む大きなきっかけとなり、ますます揖斐川町への愛着が湧いている。
プロジェクト報告会の概要

2025年3月31日、揖斐川町役場で「岐大生 住んでみよう!」プロジェクト報告会が開催され、臼井さんと小島さんがこれまでの活動成果を発表しました。春日地域の特産料理「菜もち」 のレシピ動画の制作や大学内のサークル・同好会を対象にしたアンケート調査などの取り組みを報告しました。報告会には揖斐川町の岡部栄一町長も出席し、「今後は大学の研究活動の一環で町内の棚田を活用していただくなど、さらに連携を深めていきたい」と今後の活動に期待を寄せました。参加者からは、地域の活性化に向けたプロジェクトの可能性に対する前向きな声が多数聞かれました。