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"60分の1秒"で、すべてが決まる。精神力と指先ひとつで闘うeスポーツの魅力をもっと広めたい。

 何万人もの観戦者が見守るなか続く、白熱した戦い。勝敗を分けるのは、"60分の1秒"、わずか0.017秒という緻密な「脳のスポーツ」、それがeスポーツです。加古翔大さんは「岐阜大学 e-sports同好会」の発起人です。昨年発足したばかりですが、すでに対戦会や大会を多数主催する、勢いある同好会を引っ張っています。

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岐阜大学 e-sports同好会
加古翔大さんが発起人となり2023年3月に発足。現在の部員は約20人で、週4日程度、午後に大学会館の一室で練習を重ねている。全国の大学生プレイヤーが出場するeスポーツ大会にエントリーし部員同士で模擬対戦や戦略を重ねるほか、対戦会や大学対抗戦への参戦、全国の大学のeスポーツ連合に加盟しており、リーグ戦や競技力を高めるための合宿などに参加。競技は主にオフライン(一部オンライン)で実施している。昨年はeスポーツの認知向上のため、岐大祭でeスポーツ体験イベントを自主開催し好評を博した。
eスポーツがオリンピック競技に!?
2025年にサウジアラビアで初の「オリンピックeスポーツゲームズ(OEG)」を開催することを、国際オリンピック委員会(IOC)が正式に決定したと、2024年7月に日本eスポーツ連合(JeSU)により発表された。 これは、IOCがeスポーツをオリンピック競技として認め、やがてオリンピック競技になるであろうということ。新しい時代に突入することを示す流れとも解釈できる。

eスポーツは「脳をフルに使って闘う」競技。性別や年齢に関係なくフェアに楽しめるスポーツです。

岐阜にeスポーツを本気で楽しめる場所をつくりたい。

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「eスポーツには触れてこなかったが、ゲームは大好き」と、同好会
に入るメンバーも多い。加古さんはメンバーが常にモチベーション
高く、目標を持って活動できるよう、全国の学生が参加するeスポー
ツ大会へのエントリー、オフラインの合宿、他大学との交流戦など、
積極的にさまざまな企画を実施している。

 ゲームが大好きな小学生時代を過ごしましたが、競技として初めてeスポーツの大会に出場したのは中学生のときでした。大学に入学してすぐ、eスポーツに本気で取り組める場がほしいと思い、同好会を発足しました。
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 私たちがプレイしているのはある対戦アクションゲームで、数多あるキャラクターに異なる能力や技があり、それを駆使して戦うのが特徴です。普段の活動では、技術向上を目指して部員同士で対戦したり技術の共有や戦術の研究、戦略などの勉強会をしたりしています。先日は大阪で、全国からプレイヤーが集まる泊まり込みのオフライン合宿がありました。巨大スクリーンで対戦や配信をしたり、トーナメント戦に出場したりと、eスポーツ漬けの濃厚な2日間でした。同好会はいつも和やかな雰囲気ですが、大会に向けての戦略会議や練習試合などは、互いに協力しながら真剣に取り組んでいます。

 eスポーツはワンフレーム(約0.017秒=60分の1秒)という単位で勝敗が決まってしまうため、精度や瞬発力が求められます。同好会では毎日オフラインで練習するため、オンライン対戦時のような遅延が少なく、精度の高い戦いができるのはもちろん「対戦相手が隣にいる」ことで空気感や息遣い、相手との思いのぶつかり合いを肌で感じることができます。また、大会などでは多いときには10万人以上もの観客が観戦することもあり、精神的にもとても鍛えられる競技だと感じています。

eスポーツの社会的認知向上を目指して、活動を広げたい

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滋賀県立大学の大学公認サークル「県大スマサー」と大学対抗
戦を企画。

 eスポーツのイメージは人それぞれで、「それってゲーム?」「ただの遊びなの?」と誤解されているケースがまだまだ多いです。娯楽としてのゲームのイメージやネガティブな側面ばかりに目がいく人もいると思いますが、eスポーツは指先ひとつで本気の戦いができる、立派な「競技」です。そして性別や年齢、国籍に関係なく、誰でもフェアに戦うことができます。「体を使う」スポーツに対して、eスポーツは「脳を使う」スポーツだと言えます。多くの人にこういった競技があることを伝えていきたいと思い、昨年は岐大祭で家族連れや子どもでも参加できるコーナーを設けて、eスポーツを体験してもらい、好評を博しました。
 これからもより多くの人にeスポーツの魅力を知ってもらえるよう、学内での活動はもちろん、さまざまな場所での普及促進活動にも力を入れていきたいです。



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岐大祭のイベント参加者の名札。初開催ながら、待ちができるほどの人気コンテンツになった。

今年も岐大祭で大会とeスポーツ体験を企画!
同好会が発足して1年目の岐大祭では、自主企画の大会を開催したほか、岐阜でのeスポーツ認知拡大のため、部員がアドバイスすることで一般来場者がeスポーツに楽しんでもらえるブースを設置。参加した親子らが気軽にeスポーツを体験できるきっかけづくりとして成功を収めた。今年の岐大祭でも同様に体験コーナーを企画する予定。加古さんは「学内だけでなく、ゆくゆくは市内のショッピングモールなどでもeスポーツの啓発活動を展開していきたい」と意欲的だ。