高校生の頃から防災に興味を持ち、岐阜大学学生保安消防隊では隊長として防災ボランティア活動に取り組む星野想空さん。「いざという時に地域の住民が自分の身を守りつつ、困っている人を助けられるよう、 "楽しい防災"を実践して、人の行動を変えていきたい」と日々の活動にあたる。

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１人でも多くの人に防災・減 災の大切さを伝え、
実際に行動する人の母数を増やしていく。

高校生の頃から防災に興味があり
学生保安消防隊に参加しました。

　今年で東日本大震災から11年が経ちましたが、当時テレビで観た映像が今でも脳裏に焼き付いています。高校の担任の先生が、防災意識向上を目的に開催されている「防災推進国民大会」に連れて行ってくれた際に、被災された方からお話を聞く機会がありました。そこで災害に備えて準備をする必要性を強く感じ、自分も何かできないかと思い、学生保安消防隊に入りました。

　そもそも「防災」とは、地震や水害、火事などの自然災害に備えること。イベントに出展する際は「防災に興味はあるけど、実際何から取りかかればよいか分からないため、教えてほしい」と主催者からオファーをいただくパターンが多いです。
　誰もがすぐにできるのは、水や食料などの備蓄を準備したり、ハザードマップを確認したりすること。ハザードマップは、地震や洪水、土砂災害などの種類ごとに被災想定区域や避難経路などをまとめたものですが、イベントに行くと見たことがないし存在も知らないという話を聞くこともあります。情報は更新されるため、定期的に国土交通省や市区町村のWEBサイトなどで確認することをお薦めします。

　岐阜大学がある岐阜市は、まちなかに長良川が流れていて金華山などの山が近いこともあり、洪水や土砂被害の可能性がある場所が多いのが特徴。台風などで大雨が降る際は、本当にピンチになってからでは遅いので、余裕を持って避難することが大事です。

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前向きに楽しく活動して
大学や街の安全を守りたい。

　私たちが普段の活動で大事にしているのは、楽しく防災に取り組むこと。固く考えすぎたり、とにかくやらないと駄目なんだ！と叫んだりしても地域の皆さんの防災意識は高まりません。
　自分事として考えてもらえるよう、伝え方を工夫していきたいです。また、防災に取り組んで、早めに避難した結果何もなかった時にメンバーでよく話しているのは「みんな無事で良かったね」ということ。災害は無いに越したことがないですし、準備をしておけば有事の際に役立つので、防災の呼びかけを前向きに続けていきたいです。そして、同じ気持ちを持った仲間を増やして、地域の安全に貢献できればと思います。

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岐阜大学学生保安消防隊顧問
岐阜大学社会システム経営学環
髙木 朗義 教授

このサークルは、現在も小学校教諭として学校防災で活躍している初代隊長が地元消防団への加入をきっかけに「自分たちの大学や街は自分たちで守ろう！」という熱い想いで仲間を集めて設立したものです。この手のサークルは代替わりできないことが多いのですが、星野さんも芯が通っていて頼もしい存在ですし、隊員の学生たちも何らかの想いで防災士を取得して活動しており素晴らしいです。今後も想いを持つ学生たちによる大学や街への貢献が継続することを期待しています。