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GEMsの活動で得た救急医療の知識や技術を一般の方にも伝えていきたい

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心肺停止や呼吸停止に対する一次救命処置を学ぶ「GEMs(岐阜救急医療学生研究会)」。
週に一度の勉強会に加え,地域のイベントにも積極的に参加するなど,正しい救命処置の知識の普及に務める。
代表を務める伊佐治寛太さんは,「救急現場に居合わせた人が行う応急処置が救命率を大きく左右します。
一人でも多くの人の命を救うために,正しい知識を広めていきたい」と熱心に活動に励む。

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GEMs(Gifu Emergency Medical Study /
岐阜救急医療学生研究会)

平成26年4月に創立。現在は医学科,看護学科,岐阜薬科大学の学生約60人が所属する。毎週木曜日の勉強会では,座学に加え,人形を使用した一次救命処置(BLS:Basic Life Support)の実践練習を行う。また岐阜市で行われる「ぎふ信長まつり」や「道三まつり」では毎年,BLS・AEDブースを出展し,市民に心臓マッサージの仕方やAEDの正しい使い方などを伝えるなど,ボランティア活動にも積極的に取り組んでいる。年に1度,一次救命処置の知識や技術の向上を目的として開催される「全国医学生BLS選手権」にも出場。昨年は全国総合3位の入賞を果たした。


救急現場では一分一秒が命取りになります。
処置の正しい知識と方法を広めて救命率を上げたいです。

実践を取り入れた勉強会で
知識や技術を習得します。

05.jpg 医学部に入ったからには,医学生だからこそできることを身に付けたい。そう思ったのがGEMsに入ったきっかけでした。先輩方の雰囲気がよかったことや,他大学と交流できることにも魅力を感じました。

 毎週木曜日の勉強会では,まず上級生がプレゼンテーションを行います。そこでは救急の現場で起こりうる様々な症状やその処置方法などを学びます。

この日の勉強会では、心臓が動いていても心停止と判断する場合の、患者の
呼吸の特徴を学んだ。また、医学部生として現場でリーダーシップを取る存
在になれるよう、周りの人への指示の出し方も身に付けている。実践練習の
後は適切な処置ができていたかなどの振り返りを欠かさず行う。





 その後,グループに分かれ,街中でその症状が発生した患者に遭遇したシミュレーションをします。それぞれ救助役,一般市民役,救急隊員役などに分かれ,よりリアルな現場を想定。人形を患者に見立て,心肺蘇生などの一次救命処置を行います。実践練習を取り入れることで知識だけではなく正しい技術を体で覚えます。
 また,毎年秋には「全国医学生BLS選手権大会」にも出場しています。大会への参加も自分たちの技術力の向上につながっていると実感しています。


もっと多くの人に
救命処置を教えていきたい。

老若男女がブースに集まる「道三まつり」では、子
どもたちにもBLSに関心を持ってもらいたいと紙芝
居を披露した。

 地域ボランティアもGEMsの大切な活動の一つです。
 「ぎふ信長まつり」や「道三まつり」では,岐阜聖徳学園大学の救命サークルと共同でBLS・AEDブースを設置し,市民の方々に心臓マッサージの方法やコツ,AEDの正しい使い方などをレクチャーしました。多くの方が「正しい蘇生方法が学べて勉強になった」と言ってくださり,とても嬉しかったです。
 また,「岐阜清流ハーフマラソン」の救護ボランティアでは,医師の素早い処置を目の当たりにし,自分の判断力の未熟さを痛感。今後の学びの意欲が湧く貴重な経験になりました。

救護ボランティアとして参加した「岐阜清流ハーフマラソ
ン」。熱中症などの症状で運ばれる要救護者に対して救護
活動の補助を行った。

 救命率はその場にいる人がいかに早く行動できるかどうかで大きく変わるもの。学外での活動を通して自分の力をさらに向上させるとともに,一般の方々に正しい知識を広め,救命に対する意識を高めていきたいと思います。
 また今後は,将来子どもと関わることが多い教育学部の学生に,子どもに対する救命処置の手順を教えていけたらと考えています。

 将来はGEMsの活動で身に付けた知識や経験を活かし,地域に密着した医師となり人々の命と健康を守っていきたいです。



03.jpg  現在救命治療の専攻医として活躍する楠澤さん。
「GEMsで学生のうちから実際に体を動かして処置を学んだこと は,卒業後とても役に立ちました。今後はOBとして,現役の学生たちに実際の現場の様子を伝えたいですね」。

GEMs創設メンバー
岐阜大学医学部附属病院
高次救命治療センター 専攻医
楠澤 佳悟 さん




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顧問を務める小倉真治教授は、
「救急医療は医の原点です。学生たちにはGEMsの活動を通して,人の命の大切さ を感じてほしい。将来どの分野の医師になるとしても,ここで学ぶことは必ず将来の基礎となります」と話す。さらに,「彼らにはBLSを市民の方に啓発する活動の中心になってほしい」と願いを込める。

岐阜大学医学部附属病院 高次救命治療センター長
岐阜大学大学院医学系研究科 救急・災害医学分野
小倉 真治 教授

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