大学案内

もっと自由に空を飛ぶために,目標を持って練習と努力を重ねたい。

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創部から80 年という長い歴史を持つ岐阜大学航空部。
部員たちは,エンジンを使わずに飛行する航空機「グライダー」の操縦技術を身に付けるために,
知識の習得や飛行練習を重ねる。主将を務める今井光さんは,持ち前のリーダーシップを発揮し,
安全かつスムーズに活動が行えるようにと,自らの役割を全うする。

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岐阜大学航空部
昭和13年創部。現在は31名の部員が在籍し,「グライダー」と呼ばれる航空機でのフライトを楽しむことを目的に,日々活動に励む。毎週水曜日のミーティングでは,連絡事項の共有のほか,上級生が下級生に向けて勉強会を開き,グライダーが飛ぶ原理や操縦テクニックなどを学び合う。また月に1度,週末を利用して木曽川滑空場や大野滑空場で飛行練習の合宿を実施。春季・夏季休暇には約1週間の長期合宿も行い,操縦技術の向上を目指す。


グライダーは1 人で飛ばすことはできない。
主将として、皆がうまく連携できるように働きかけたい。

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部員たちで力を合わせて
やっとフライトが実現します。

 大学に入ったら今までにやったことがないことに挑戦したいと思い,航空部に入りました。体験搭乗会で生まれて初めて空を飛んだ時,グライダー独特の静かで優雅な飛行と,操縦席から見渡した壮大な景色にすぐに魅了されました。

 グライダーは何人もの協力がないと飛び立つことができません。操縦席に乗れるのは教官を含め2人までですが,機体を組み立てる際に指揮を執る人,ウインチを制御する人,無線係など,全員がそれぞれの役割を全うしてやっとフライトが実現するんです。私は主将としてどのような言葉をかければ皆が動きやすいのかを考えて行動するように心掛けています。

 また,月に1度の合宿は他大学と合同で行うことが多いので,仲間との連携がさらに重要に。外部の方と打ち合わせを行ったり,拡声器を使って指示を出したりなど,合宿の運営責任者としての経験を通し,リーダーシップやコミュニケーション能力を身に付けることができました。

岐阜大学は,車で30~40分という近距離に木曽川滑空場と大野滑空場の2つの滑空場があり,練習しやすい環境が整っている。
月に1度の合宿では,朝の6時半頃から日没までフライトの練習を行う。

練習を重ねて自家用操縦士の
ライセンスを取得したい。

 フライトを成功させるには,上昇気流をうまく掴むことがポイント。雲や風,その場所の地形などを考慮してフライトに臨みます。私が教官に何度も指摘されたのは,着陸時の体勢。軌道,速度,角度の3 点に意識を集中させて着陸するのですが,ほんの少し操縦が乱れるだけで大きなミスにつながります。

機体の重さは300~400kgあるため,指揮を執る機体係の指示のもと,全員で声を掛け
合いながら組み立て作業を進める。

 教官の指導をメモに残し,飛ばない時も地図を見ながらイメージフライトを行ったり,上手な人のフライトを見て技術を学んだりしました。そうして思い通りの操縦ができたときは,とても気持ちがよかったですね。

 現在の目標は,卒業までに自家用操縦士のライセンスを取得すること。今は教官の監督が必要ですが,取得すれば1人で飛べるようになります。取得には十分な単独飛行の経験や高い操縦技術に加え,飛行機が飛ぶ原理を理解するなどの知識も必要です。物体の運動について研究する,流体力学を授業で習ったのですが,その考え方も役に立っていると思います。

 空を飛ぶことは本当に楽しい。これからも努力を重ねて,もっと自由に飛べるようになりたいです。


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 水曜日のミーティングの時間を使って,上級生が下級生にグライダーの操縦に必要な知識を教える。飛行機が飛ぶ原理や航空法,滑空場の利用方法についてなどを学ぶ。



 顧問の高橋周平教授は,今井さんについて「リーダーシップがある」と高く評価。「航空部は30人以上の大所帯ですが,その中で安全を確保しつつも主体的に部員を巻き込み,うまくまとめている。今後も後輩たちを育てつつ,歴史ある 岐阜大学航空部を次世代へ引き継いでほしいですね」と期待を寄せる。

岐阜大学工学部機械工学科 機械コース
高橋 周平 教授

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