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「日本一を目指して臨んだ決勝戦は,今までで一番気持ちがいい高座でした。」

平成26年2月,学生落語の日本一を決める第11回「策伝大賞」で最優秀賞に輝いた「鵜飼家みるく」こと,田中久留美さん。
元来が大のお笑い好きで,落語を始めてわずか1年半。
地元の声援を力に変え,全国の学生320 名の頂点に登り詰めた。

「自分を出そう」と演じた結果,優勝を手にできて,本当にうれしい。

「普段はワイワイと楽しい雰囲気の落語研究会ですが,いざネタみせとなると簡単には
笑わない。仲良しだけど同時にライバル。笑いにはシビアでお互いに切磋琢磨し合える
間柄です」と田中さん。

登場人物すべてを一人で演じる面白さにはまりました。

 私は大学入学前からお笑いが大好きでしたが,最初から落語研究会に入部しようと決めていたわけではありません。きっかけは,4月の新入生歓迎ライブ。古典落語の『死神』を披露する先輩がものすごくかっこよくて,「自分もやってみたい」と思い,入部を決めました。

 中学校時代から演技には興味があったのですが,クラスで演劇をやった時には,勇気がなくて一言,二言セリフを言うだけの脇役でした。でも,落語なら遠慮せずに自分一人で登場人物全員を演じられます。これが本当に楽しくて,落語にどんどんのめり込んでいきました。部員にはオリジナルの落語を考える人もいますが,私は大好きな古典落語の練習ばかり。人一倍練習したつもりですが,最初のうちは,高座に上がるたびに緊張の連続でした。

これからも落語を続け,社会人の大会でも優勝したい。

 平成26年2月の「策伝大賞」の演目は,古典落語『悋気(りんき)の独楽(こま)』でした。夫の浮気に嫉妬する妻が,事情を知る使用人を問い詰めるというお話ですが,このネタが本当に難しい。女将さんとお妾さんの声色を使い分けるため,韓流ドラマを見て女性たちの激しい感情表現を勉強しました。

 大会当日は,普段から出前寄席に来ていただいている岐阜市の方々へのお披露目の意味も込めて,自分の力を出すことに集中しました。予選では事前ビデオ審査を通過した232名が4会場に分かれて6分間の演目を披露しますが,決勝に残るのは8名のみ。決勝進出が決まった時にはびっくりしました。決勝は,会場の広さに圧倒されましたが,

「ここでウケたら絶対に気持ちいいはず」と気持ちを切り替えて演じた結果,策伝大賞を獲得できました。当日は両親も観覧に訪れ,「噛まないように...」と祈ってくれていたようです。

 3年生の後期からは植物病理学研究室に所属し,植物の病気について研究しています。病気が発生する仕組みはとても複雑ですが,その分奥が深くてとても面白いんです。将来は,研究室で学んだ病気の知識を生かし,農家さんを支援する仕事に就きたいと考えています。そして,余裕ができたら落語も続けていき,策伝大賞だけでなく,社会人の大会でも優勝を目指してみたいと思います。


岐阜大学落語研究会

顧問を務める応用生物科学部の石田秀治教授は
「人一倍練習してきちんと自分のものにするのが
田中さんのスタイル。完璧になるまで徹底して
磨きをかける真摯な姿勢が彼女の持ち味です」と
話す。

 正式な記録が残るだけでも昭和47年から続く由緒ある落語研究会。
 現在,部員はおよそ20名で,岐阜市内の公民館や小学校などでほぼ毎週末,出前寄席を開催。近年は,社会人落語家の炊亭あたり氏を特別講師に招き,全日本学生落語選手権「策伝大賞」最優秀賞受賞,ちりとてちん杯全国女性落語大会準優勝など,各地の落語大会で優秀な成績を収めている。

昭和51年の創刊以来,毎年発刊している
岐阜大学落語研究会の機関誌。
 なお,OBとしては,テレビ番組の構成作家であり,人気漫才コンビ「横山やすし・西川きよし」の台本作成を担当し,M-1グランプリの審査員も務めたかわら長介氏らが活躍している。

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