大学案内

「ライチョウの繁殖研究を通して,絶滅危惧種の保全に貢献したい。」

大好きな動物の役に立ちたいという幼い頃からの夢を追い続け,
絶滅の危機から動物を救うべく,研究に勤しむ充実の日々を送る山本彩織さん。
リケジョ(理系女子)の先輩として,小・中学生,高校生に科学の面白さを伝えたり,
研究者を目指す女子学生の進路相談に親身に取り組む活動にも参加している。

女子学生と女性研究者が気軽に交流できる環境が,研究活動に刺激を与えてくれます。

フンを使った実験の成功でライチョウの保全に一歩前進。

 私は動物が好きで,絶滅危惧種の保全に関わる研究がしたいと思い,修士課程から岐阜大学で学んでいます。在籍している動物繁殖学研究室は,全国の動物園や水族館と共同研究をしながら動物の保全に貢献することが目標です。
 私が今取り組んでいるのは絶滅の危険性が高いニホンライチョウの繁殖研究です。近い将来に動物園で飼育し,繁殖させることが計画されています。現在は2カ所の動物園で飼育されている海外種のスバールバルライチョウで,基礎的な繁殖データを蓄積しています。具体的にはフン中の性ホルモン量を測定し,卵巣や精巣が発達する繁殖に最適な時期を割り出します。ホルモン測定には通常血液を用いますが,嫌がる鳥を押さえつけて採血するのは困難です。そこで2年前に挑戦したのが,簡単に採取できるフンを使った測定です。最初はめぼしいデータが取れるか不安でしたが,特定の季節にホルモン量が高くなることが結果として現れ,うれしかったですね。実験は楽しいので熱中すると時間も忘れてしまいます(笑)。


科学は面白いんだよ,と出前講義を通して伝えたい。

 研究室では昼間はデスクワーク,夕方から夜中にかけて実験やデータのまとめをしています。その一方で,研究者を目指す女子学生を支援する「カモミール・カフェ」で学生アシスタントを務めています。私自身もこれまで悩み,迷いながら進路を選択してきたので,身近な存在として気軽に相談に来てほしいです。この活動と並行して,さまざまな研究分野の女子大学院生が,県内の小・中学生,高校生に科学や研究の面白さを伝える出前講義に,講師の一員として参加しています。子どもたちには科学を身近に感じてほしいので,なりたいと思えば研究者になれるよ,私でもなれたよ(笑)と話しています。この活動では学年も研究室も違う人たちと交流でき,同じ女性として刺激や励みになります。研究においてもライチョウという一つのテーマで,動物園の飼育担当者や他大学の先生など,分野の違う人たちと関わることができ,こうした交流が自分の実験のモチベーションに繋がっています。

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男女共同参画推進室の取り組み

岐阜大学では,平成22年度から「男女共同参画推進室」を設置し,性別に関わりなく個性を尊重し,能力を発揮できる環境を確立するための取り組みを行っている。その一環として,女性研究者の支援や育成,裾野拡大を目的とした活動を実施。松井真一特任助教は「女性にとって結婚や出産,育児は研究の中断や断念の大きな要因になりますし,どこで迎えるかということも重要です。セミナーや交流会など様々な支援活動を行っていますので,気軽に活用してほしいです」と話す。

カモミール女子学生支援プログラム

学生アシスタントの女子大学院生が,女子学生の就学上の相談に対応している。女子学生の就学支援と,博士課程への進学促進が目的。生協中央店の向かいにある「カモミール・カフェ」(顔見ーるカフェ)で毎週火曜・水曜日に実施。

サイエンス夢追い人育成プロジェクト

女子大学院生が県内の小・中学校や高校に赴き,自身の進路選択の経緯や研究内容について講義を行う「出前講義」を開講。子どもたちに科学の魅力を伝えている。

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