福祉の課題を解決するプロジェクトを通じて、社会で活躍するための基礎力が養われる。
全学共通教育科目「地域福祉をめぐる課題解決型実習」
対象学生 : 全学共通 履修期間 : 1年生 後学期
受け入れ先となる福祉関連団体・事業者が抱える課題をヒアリングしたうえで、グループ活動を通じてその解決策を検討。課題解決に向けたプレゼンテーションを行います。フィールドワークや文献調査などによる情報収集を通じて福祉の現状に対する理解を深めると同時に、社会人に求められる主体性やチームワーク力、発信力など、幅広いスキルを磨くための実践的な学びの機会を提供しています。
大学構内で日々学ぶ学生たちにとって、社会人と接する機会はそれほど多くはありません。そこで、授業を通じて地域社会が抱える課題に向き合い、社会人とさまざまな接点を持つことで、就職活動やその後の社会人生活に役立つ学びを得てほしい。それがこの全学共通教育科目「地域福祉をめぐる課題解決型実習」の主な狙いです。少人数でのグループ活動を通じて議論を深めながら、受け入れ先の団体・福祉事業者の就業場所に実際に就業し、課題を解決するための方策を考えるプロジェクトに取り組みます。
これまでにも、さまざまな課題解決に向けた提案を行ってきました。障害者の就労支援を行う事業者に対しては、障害者に働く場を提供するカフェの広報活動に関する提案を行いました。また、障害者の就職活動を支援する団体に対しては、岐阜市内のアパレル企業から提供された新品のスーツを面接時のリクルートスーツとしてレンタルできるサービスを提案しました。そして2024年度の講義では、視覚障害者支援団体の社会福祉法人岐阜アソシアさんに受け入れをお願いしました。講義を通して、視覚障害への理解が進んでいないことを知った学生の提案により、視覚障害者がどのようなことに困っているのかを楽しく学べる子ども向けのイベントを開催することになりました。
長らく福祉を専門として研究してきた経験から、受け入れ先の課題を考慮し、全15回の講義で何ができるかの見通しを立てながら、学生自身が主体的にテーマを決めてプロジェクトを進められるように導きます。学生にとって、授業を通じて障害者と接する機会を持つことも、多様性が求められる社会を生きていくうえで役立つことは多いと思います。授業で得た経験を大切にし、地域福祉への問題意識を持つ出発点としてほしいと願っています。
カリキュラム概要
授業の特色
- 討論やプレゼンテーションなど、学生による対話や発表
- 図書館やラーニングコモンズなど、教室以外の場所を活用
- フィールドワーク、キャリア実習、ものづくりなどの体験型学習
- ゲストスピーカーの招へい
授業の流れ
▼ 課題の提示
初回のオリエンテーション後、受け入れ先の担当者から取り組むべき課題をヒアリング。現場の声に触れることで、福祉の実情について理解を深めます。
▼ グループ活動
施設で実際に就業体験を実施。受講者全員で話し合い、提示された課題の解決につながる取り組みを考え、情報収集などを行います。
▼ 中間報告会
具体的に取り組む内容を決定し、受け入れ先の施設に提案。学生たちが企画内容をまとめ、担当者に直接プレゼンテーションを行います。
▼ グループ活動
中間報告会の振り返りを行い、学生たちで今後の活動を話し合います。取り組み内容をさらにブラッシュアップしていきます。
▼ 最終報告会
受け入れ先の施設にて最終発表会を行います。施設から受けるフィードバックにより、自分たちの提案を客観的に見直す機会となります。
到達すべき目標
- 態度としての主体性、チームワーク力、情報の収集・発信力、謙虚に受容する力を育むことができる
- グループ内での役割分担を通じて、パフォーマンスを上げるには個人としてどのようすれば良いか見出すことができる
- 本授業を通じて、日本の社会福祉や教育が抱える問題を理解する
- 社会人として活躍するために、現在の自分に足りないものに気づき、他者に説明することができる
- 自分に足りないものを、今後の学生生活でいかに身につけていけば良いか見出し、他者に説明することができる
2024年度の課題解決型実習
学生は視覚障害者生活情報センターぎふの館長さんによる講演や就業体験を通して、視覚障害者への理解が進んでいない現状を知り、その課題解決のためには、小学生などの小さな頃から障害に触れ、多様性について学ぶことが望ましいという結論に達しました。そこで、楽しみながら学べる体験型イベント『岐阜大のおにいさん、おねえさんと学ぶ!「もしも目が見えなくなったら??」』を企画。視覚障害疑似体験や点字学習会、音声ガイド映像クイズなどを実施しました。当日の運営はもちろん、イベントの内容やスケジュール調整、スポンサー集めなど、学生たちが一から企画し、取り組みました。
[実習先] 社会福祉法人岐阜アソシア(視覚障害者支援団体)
視覚障害者向けの支援を幅広く行う岐阜市の社会福祉法人。視覚障害者向けの点訳・音 訳図書の製作・貸出のほか、点字・歩行・IT機器の操作などの訓練、外出時の付き添いなど、時代のニーズに応じた支援を展開しています。
岐阜県インターンシップ推進協議会のWEBサイトにも掲載されています
学生インタビュー
社会人の準備にもつながる貴重な経験ができました。
私たちは岐阜アソシアさんが抱える「視覚障害者の実情が認知されていない」という課題を伺い、「視覚障害者が生きやすい社会にするにはどうすればいいのか」を考え、視覚障害について楽しく理解を深めてもらえるイベントを企画しました。
5人のメンバーを「企業班」と「イベント準備班」の2つに分け、私は「企業班」の一員としてイベントの運営費を確保するために協賛企業を募る役割を担いました。企業との交渉では、「学生だから」という理由だけでは理解を得るのは難しく、企業の利益につながる企画の立案や、メールの送り方、訪問時の対応など、相手の立場に立って一つ一つ行動することの重要性を実地で学びました。大学時代の早いタイミングで社会人の準備にもつながる貴重な経験ができ、とても有意義な授業でした。
丸井 二郎 さん