データサイエンスのリテラシーを身に付けて、将来に必要な論理的思考を培う。

【対象学生】:令和5年度から全学部学生必修(令和4年度は医学部医学科・社会システム経営学環のみ) 【履修期間】: 前学期
データサイエンスやAIへの関心を高め、理解し、適切に活用するための基礎的な能力を養う。講義では統計などのデータ処理について基本的な概念を学び、演習では実際にExcelやR言語、Pythonを使用してデータ分析やプログラミングを行います。オンデマンドで学び、オンラインで教員とやり取りが可能なため、意欲や習熟度に応じて効率的にデータサイエンスのリテラシーを身に付けることができます。
新型コロナウイルス感染症の広がりとともに、さまざまなデータを分析している場面を見ることが多くなりました。しかしデータの本質について論理的に考え判断できる人はまだ少なく、悪用や誤解が後を絶ちません。こうした社会課題を解決するため、国が掲げた「AI戦略2019」にのっとり、岐阜大学ではデータサイエンスの基礎的な知識とスキルの修得を目指す授業を、本年度開講しました。授業の設計には各学部・学環の教員が参加して数理・データサイエンス・AI部会を立ち上げ、各々の学部における興味関心に沿った生のデータを使い演習を行います。成績は教員の直接採点ではなく、AIを活用し学生のアウトプットを理解度や独自性などの観点からデータ処理して評価する予定です。
データ科学の専門的な知識やデータ分析、プログラミング言語は、一部の技術者だけが身に付けるスキルだとは思いません。データに基づく仮説生成、モデル構築・検証のアプローチや思考法は、文系・理系を問わず有効な基礎教養です。学生が将来どんな職業に就いたとしても、合理的で生産性の高い取り組みを助ける力となるはずです。例えばプログラミング的思考があれば、業務における共通部分と変動部分を意識して、分担や手順を変えることで効率化が図られます。ひらめきや気づきの裏側にある論理を整理し、そのプロセスを言語化して相手を説得する力も養われます。またデータを科学的に見ることができれば物の見方も変わり、物事の本質により近づくことも可能ではないでしょうか。
今後は名古屋大学と共同で授業ができるような展開を検討中です。大学院では企業が実際に使用するデータに触れる「実世界データ演習型育成プログラム」を共同開講しており、大学でも実践レベルで活用できるような授業とすることが今後の課題です。データサイエンティストは世界中で注目されており将来性もあります。この授業を受講した学生が社会参画することで、日本の生産性向上に寄与することを期待しています。
数理・データサイエンス・AI部会メンバー
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部会長/岐阜大学工学部 横田 康成 教授 |
委員/岐阜大学教育学部 福岡 大輔 准教授 |
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委員/岐阜大学応用生物学部 田中 貴 助教 |
委員/岐阜大学社会システム経営学環 奥岡 桂次郎 准教授 |
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委員/岐阜大学工学部 鈴木 優 准教授 |
委員/岐阜大学医学系研究科 一宮 尚志 准教授 |
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委員/岐阜大学地域科学部 中塚 温 助教 |
委員/岐阜大学医学部看護学科 牧 茂義 助教 |
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授業の流れ


「プロジェクトマネジメント基礎」グループワーク
本プログラムは、岐阜大学と名古屋大学と合同で行う大学院生・社会人向けのプログラムです。データサイエンティスト育成事業として多岐にわたる業種の企業や地方自治体から提示された課題についてデータを分析し、解決に向けた提案・コンサルテーションを行います。顧客満足度の分析や農産物の画像解析、物流データの分析、飲食店の出店立地分析など、企業が直面する課題はさまざま。データサイエンスを専門とする学生だけでなく、多様な専攻の学生と企業人が共同で課題解決に取り組む、実践的なプログラムです。