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医療者教育のエキスパートを育成する、日本初・唯一の修士課程が誕生。

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岐阜大学大学院医学系研究科「医療者教育学専攻修士課程」

【対象学生】 :医療系教育研究機関や医療機関などにおいて、医療者教育の実務経験を2年以上有する者
        (医師・看護師・薬剤師・歯科医師・理学療法士・作業療法士など)
【履修期間】 2年間

令和2年4月,岐阜大学大学院医学系研究科に開設。医療系大学の教員や医療機関の指導医など,医療系学生や若手医療者の教育に携わる人が「教育方法」「評価方法」「カリキュラム開発」といった医療者教育の理論・方法論を習得し,エキスパートを目指す課程。働きながら学べるよう遠隔授業を活用し,教員・学生ともに医療職種を超えてコミュニケーションを図りながら医療者教育について学び合えるカリキュラムです。国際的な学位「医療者教育学修士(MHPE)」の取得も叶います。

 従来,医療系学生や若手医療者への教育は,主に医療者が各自の経験や持論をもとに行ってきました。しかし,時代とともに医療者教育の方法は多様化してきました。一方向の講義とは異なり,議論やグループワークを通して学ぶ「アクティブラーニング」は,その一例です。医療者へ教育を行う者には,医療の専門性に長けているだけでなく,「教育学」の知識が求められるようになり,海外では「医療者教育学」を学ぶ修士課程が続々と設置されています。
 こうした世界的な潮流を受け,岐阜大学では令和2年4月,日本初の医療者教育学専攻修士課程を開設しました。平成13年には医療分野で国内初の全国共同利用施設「岐阜大学医学教育開発研究センター(MEDC)」を設置し,日本の医学教育を牽引してきた本学が,医療者教育のエキスパートの育成という新たな役割を担います。
 学ぶ内容は,「教育」「評価」「カリキュラム開発」の3本柱から成る医療者教育の理論・方法論。これらを体系的に習得するとともに,所属機関の医療者教育を改善できる視野を養います。最大の特色は,多職種の学生が現場の多様な課題の解決に必要な職種間連携を,多職種の医療分野の教員から学べる体制。加えて,教育学や心理学・コミュニケーション学・経営学など非医療分野の知識を,専門教員が指導します。
 国内にある本学で学ぶメリットは,世界基準の教育理論を日本式に落とし込んで学べる点にあります。例えば,医学部で採用されている,世界標準の教育手法の一つ「PBLテュトーリアル」。学生自身で問題を発見し,議論しながら解決方法を考える少人数型教育ですが,日本では活発な議論が起こらない場面が多々あります。その原因を,日本人の特性や文化,心理メカニズムなどから理解し,日本に合った形で採り入れる能力の獲得を図れるのです。修了後は,各自の所属機関でリーダーシップを発揮し,日本の医療者教育の質向上に貢献してほしい。さらには,すぐれた教育手法を創出して世界に発信してほしいと期待します。

カリキュラムの6つの特色

世界標準の教育理論を、日本で働きながら効果的・効率的に学べる体制。

オンライン学習と
現地学習のブレンド

多忙な医療者でもある履修者が空き時 間に学びやすいe-learningと、岐阜キャ ンパスでの短期集中型学習を効果的に ブレンド。

柔軟な自主的学習を
支えるツール

各自のペースで学習を進められるよう、段階を細かく分けた課題を設定。学習支援システムを利用した、学生同士の討論も可能。

グローカルマインドを
育成する学習コンテンツ

遠隔授業で海外の最新研究に触れ、世界標準の教育理論・モデルを修得。同時に日本人の特性や文化を学習し、日本に合った教育のデザイン力を養う。

実践・問題
基盤型学習

学生自身が教育者として実施している医療者教育の改善につながるよう、各自の課題を題材とした問題基盤型学習を行い、理論を実践的能力へと高める。

「多職種の学生×多職種の教員」
の連携教育

医療現場に必須の多職種連携教育を効果的に学べるよう、多職種の学生による学習・研究を、多職種の教員が責任を持って支援する。

熟達度の可視化による
学びの促進

習得すべき能力の全体像に対し、その時点での到達度の確認が可能な評価ツールを導入。伸びしろのある能力を明らかにし、学びを促進。

獲得を目指す能力

●優れた教育能力
●医療者教育における協働力
●日本にふさわしい教育の設計力
●教育機関の先導力
●教育における学識の発信力

履修者インタビュー

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東京慈恵会医科大学 教育センター
岡崎 史子 准教授

今まで,医療者教育学をしっかり学ぶには,海外へ行くしかありませんでした。日本で初めて岐阜大学に医療者教育学の修士課程が設置されると知り,迷わず受験しました。実際に授業を受講してみると,今や教育は理論を知らなければできず,さらに学問として生きていて変化するものだと実感しています。卒業までにキャンパスへ行きたいですが,医療者教育のリーダーを目指し学びを続けていきます。

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鹿児島大学病院
歯科総合診療部
大戸 敬之 助教

現在,私は歯学部の教員として働いています。医療者教育についてより深く学びたいと考えた時,日本初の修士課程で"日本で学ぶ"ということに惹かれ志望しました。MEDCの先生方が本気で作成したカリキュラムや,同期の先生方の学習に対する姿勢も素晴らしく,新しい学びばかりの日々です。今後は「教育にエビデンスを」をモットーに,さらなる研究と実践に活かしたいと考えています。

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帝京平成大学
健康メディカル学部 理学療法学科
芳野 純 准教授

理学療法士の教育は他職種と比較しても非常に遅れており,まずは体系的な医療者教育を学びたいと考えました。履修者の職種はさまざまですが,授業では同じ院生という立場で議論するため,幅広い視点で物事を考える力が身に付いていると感じます。修了後は,所属大学で理学療法士教育に関する科目を持つことが目標。将来的には,理学療法士の資格取得に関する教育の改善を提言していきたいです。

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