大学案内

途上国が抱える流域水環境問題を解決するリーダーを育成する。

「岐阜大学流域水環境リーダー育成プログラム」

幅広い分野の科目や連携企業へのグループインターンシップ,
国際色豊かな学生間の交流を通して,
流域水環境に関わる問題解決に必要な
専門知識とコミュニケーション力の習得を目指します。





流域圏科学研究センター 
流域水環境リーダー育成プログラム推進室長
李 富生 教授(右)

岐阜大学応用生物科学部
平松 研 教授(左)


岐阜大学流域水環境リーダー育成プログラム
対象学生:修士課程3専攻
  (岐阜大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻,同環境エネルギーシステム専攻,応用生物科学研究科生産環境科学専攻)
  ※特に優秀な修了者は博士課程に進学可


途上国の流域水環境問題の解決をリードする人材を養 成する「岐阜大学流域水環境リーダー育成プログラム」。海外からの留学生と日本人学生が在籍し,国際的なコミュニケーション能力の向上のため,多くの授業は英語で行われます。学生は所属する専門科目に加え,相互補完科目を履修することで,幅広い分野の専門的な知識や技能を身に付けます。政治や経済,文化など,問題発生の背景を多角的に理解した上で,その土地の社会基盤整備状況に応じた解決策を立案する能力を習得します。

 アジア・アフリカ諸国では,水質や水資源,農業や灌漑(かんがい)用水,水圏生態系など,水環境に関わるさまざまな問題を抱えています。「岐阜大学流域水環境リーダー育成プログラム」では,そういった途上国の水環境問題の解決と施策立案に活躍できる人材の育成を目指しています。このプログラムでは,多岐にわたる問題を解決するために必要な広い見識と高いコミュニケーション力を養うカリキュラムを設置しています。

平成29年に発行した冊子「流域水環境の問題
を社会的・文化的側面から考える」。共同セ
ミナーで学生が準備した資料を学生自ら再編
集し、まとめている。流域水環境問題の社会
的、文化的側面が理解できるだけでなく、異
なる国の学生の目から見た流域水環境問題を
知ることができる。

 プログラムに参加する修士課程の学生は岐阜大学大学院工学研究科の社会基盤工学専攻,環境エネルギーシステム専攻または応用生物科学研究科生産環境科学専攻のいずれかに所属。それぞれが各自の分野から流域水環境問題に関わる授業を履修し,専門知識を伸ばします。しかし,これだけでは偏った見解でしか解決策を見出だすことができません。そのため,3専攻にまたがって履修できる「相互補完科目」や,地域の文化や風習を学ぶ「人文・社会科学分野関連科目」など,幅広い分野の授業を行っています。また,学生の半数以上は留学生が所属し,国際性を身に付けるためにも多くの授業で英語を使用します。例えば「共同セミナー」では,日本人と海外留学生が混在する小人数グループに分かれ,英語を用いて発表や討論を実施。発表はグループごとに行うため,学生たちは授業以外の時間にも集まって準備を進めています。必然的に英語で意見を交わす機会が多いため,初めは内向的だった学生でも,自分の考えを相手に伝えようとする積極性や表現力が徐々に身に付いていると感じます。日本人学生と留学生の交流のみならず,他専攻の学生同士が関わることは,幅広い意見に触れられる良い機会ですし,多様な意見をまとめる力は将来必ず役に立つと考えています。

 これらの授業に加え,実践的な教育も実施しています。「環境リーダー育成特別演習」では,水環境に関わる企業の社員から講義を受けたり「グループインターンシップ」では,留学生は国内,日本人学生は海外の排水処理システムを見学したりと,外部機関との連携が強いこともこのプログラムの特長です。
 学生にはこうした多彩な授業を通して学んだ専門知識や国際性,幅広い視野を生かして,各国でリーダーとして活躍してほしいと願っています。また,彼らが研究者や教育者となり新たなリーダーを生み出す"流域水環境リーダー育成の循環"が生まれていくと嬉しいですね。

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授業科目の紹介

共同セミナー


【共同セミナー指導】
共同セミナーでの発表に向けて,学生たちは
グループごとに選んだテーマの事前学習と資
料準備を行う。その内容や英語表現について,
準備段階からプログラム推進室教員によるマ
ンツーマン以上のきめ細かい指導を複数回に
わたって受け,発表内容を完成させる。

多岐にわたる環境問題の知識を共有して視野を広げ,プレゼンテーションやコミュニケーション能力を向上することを目的としている。
日本人学生を含む,出身国が異なる2~3名のグループを作り,事前学習,資料準備,授業での発表,発表者を進行役として履修者全員でのグループ討論,発表者による総まとめを行う。通年で隔週16回開講し,一回に2グループが発表する。
発表テーマは教員が設定した多彩な案(水環境・水資源,生態系と多様性,エネルギー,災害や防災,廃棄物処理と再利用,グローバル化などの10カテゴリー,計150テーマ)から学生自らが選択する。また,資料準備,発表や討論はすべて英語によって行われる。


グループインターンシップ


流域水環境分野の最前線で活躍している連携企業や,行政の実務者,管理者の指導のもとで研修を行い,現場の知識と経験を身に付ける。留学生は国内で水質分析や水処理技術を学び,日本人学生は途上国にて水処理やエネルギー需給など,現地の環境問題への取り組みや現状とともに,歴史や文化についても学ぶ。


環境ソリューション特別演習Ⅱ


教員や学生を聴講者とする公開模擬講義を実施し,学生の専門的な知識を講義する力を養う博士課程の科目。人数や専門分野に応じてグループを作り,学生が自ら決めたテーマに対し,グループ内で講義全体の流れを討議し,各自で講義資料や聴講者用評価シートを準備する。



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学生インタビュー

グローバルな環境の中で学んだこと。
人生の分岐点。

岐阜大学大学院応用生物科学研究科
生産環境科学専攻 2年
武藤 啓悟 さん

 このプログラムを通して,さまざまな国の文化と留学生の思考に触れることができたことにより,グローバルな視野を持ち多様な環境の中で自分の力を試してみたいという考えが大きくなりました。また,自分がこれまで学んできたことに対して,工学的な視点からのアプローチに触れることができたことも非常に新鮮で面白く,大きな財産となっています。
 就職後は,このプログラムを通して学んだコミュニケーション力と幅広い知識を活かして,複合的な思考で国内外の多様な地域で「水資源の有効活用」及び「水環境問題の解決」に尽力していきたいです。


学んだ幅広い知識を生かして
インドネシアの発展のために貢献したい。

岐阜大学大学院工学研究科
環境エネルギーシステム専攻 2年
エルダ ラフミライラ デスフィットリ さん

 私は平成27年にインドネシアから来日し,主に環境問題について学んでいます。インドネシアでは飲み水,生活排水,廃棄物など,水環境にまつわる問題が深刻です。そういった問題を解決するための知識をこのプログラムで学んでいます。また「共同セミナー」では,さまざまな国の生徒と意見を交わすので,考え方の違う意見も相手の文化を理解しながら敬意を持って受け入れられるようになりました。今後は博士課程に進む予定です。
 卒業後は帰国して大学教員になり,岐阜大学で学んだことを祖国に伝え,学んだ幅広い知識を生かしてインドネシアの発展のために貢献したいです。

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