岐阜大学に誕生した 新たな3つの 進める力

医学・薬学・獣医学・工学・応用生物科学の研究・教育拠点がワンキャ ンパスに集まる岐阜大学に,3つの新たなセンターが誕生しました。世界トッ プレベルの研究者たちが持つ叡智を個々の分野に留めるのではなく,学 部や組織を横断して双方向的に連携させるのと同時に,センターを核とし たコンソーシアムの形成などを通じ,外部とのつながりの強化を図るのが 狙いです。これにより,岐阜大学が持つ知識や人材を有効活用し,大きな 研究プロジェクトに協働で取り組むことで今までにない成果を上げるなど, 大学全体の研究力と教育力のさらなる向上が期待されています。

次世代金型技術研究センター:質の高いものづくりを進める力

金型技術を中心に、ものづくり研究を網羅的に支援できる施設へ。

次世代金型技術研究センター長
岐阜大学工学部機械工学科機械コース
山下 実 教授
2つのセンターを「次世代金型技術研究センター」に統合したことで,
岐阜大学におけるものづくり研究の窓口が一本化し,民間企業がワンストップで協力を依頼できる体制が構築できました。
また,新たに地域連携部門を設けて連携体制を強化することで以前にも増して研究開発が活発化し,
政府の補助金を利用した事業などが新たに進んできています。
従来の素形材や加工技術に加え,生産システムの部門を新設し,ロボット技術やIoT,
VRなどを活用した次世代生産システムの開発にも着手。
これらの技術を組み合わせ,ものづくりを総合的に支援できるセンターができたと実感しています。
設備面においても,平成29年度から金属3Dプリンターが稼働を始めました。
効率的に金型が製造できる最新のツールを手にしたことで,
企業の技術開発をより一層力強く後押しできるのではと思います。
炭素繊維リサイクル研究センター:環境にやさしいものづくりを進める力

産学連携や地域連携を加速させ、リサイクルCFRPによる製品化を推進。

炭素繊維リサイクル研究センター長
岐阜大学工学部化学・生命工学科物質化学コース
大学院工学研究科環境エネルギーシステム専攻
守富 寛 シニア教授
当センターでは,リサイクルCFRPの実用化に向けた研究に特化しています。
すでに廃CFRPから炭素繊維を回収する技術は事業化のめどが立ちましたが,今後の課題は,
回収した炭素繊維から中間基材を作り,製品化までどう結び付けていくかです。
そこで,幅広い業界に周知し,炭素繊維リサイクルのコンソーシアムを形成すべく,
新たにセンターを立ち上げました。
製品化には回収した繊維の健康影響などを評価する必要がありますが,
応用生物科学部の先生にも協力を仰ぎ,マウスによる暴露実験などを実施しています。
多様な分野の研究拠点が集まる岐阜大学の特色を活かし,
今後もリサイクルCFRPを使った製品の開発を推進していく考えです。
生命の鎖統合研究センター:新たな分野の研究を進める力
「岐阜大学にはすごい生命科学研究機関がある」と一目置かれるセンターに。

生命の鎖統合研究センター長
岐阜大学応用生物科学部
石田 秀治 教授
石田教授
総合的な生命科学の研究拠点としての強みを活かし,
大きな研究テーマに対してプロジェクトを組んで成果を出していきたいと思います。
そしてその成果を,論文などを通してアウトプットし,
「岐阜大学にはすごい研究機関がある」と発信することで,
新しい創薬基盤の形成を図っていきたいと思います。

リエゾンファンクション担当
岐阜大学研究推進・社会連携機構
研究推進部門
小林 雅典 特任教授

小林特任教授
リエゾンファンクションという外部の機構がマネジメントを専門に行い,
提携機関の模索や資金調達などを進めていきます。
従来は先生方が個々で外部機関や他大学と連携して研究するのが一般的でしたが,
今後は大学内外の連携がより一層強まり,センター全体の研究力が向上することを期待しています。