大学案内

令和5年 新年挨拶

 皆さん明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 昨年はコロナ禍に加え、ロシアのウクライナ侵攻により、世界は歴史的なダメージを受けました。社会生活の制約や物資・電気代の高騰で大学運営も極めて厳しい状況に直面いたしました。国立大学は2022年4月より、6年間第4期の中期目標期間がスタートいたしました。我が国の掲げる Society 5.0 の実現を目指して、総合知をもって科学技術を世界トップレベルに押し上げるべく、国立大学研究力強化に向けて議論が開始され、国際卓越研究大学と地域中核大学という観点からの支援が開始されました。これらの背景を踏まえ、東海国立大学機構としての岐阜大学の実績と2023年における展開についてお話しいたします。

東海国立大学機構と岐阜大学の実績
 岐阜大学は名古屋大学との経営統合を行い、東海国立大学機構として3回目の新年を迎えることになりました。岐阜大学は、東海国立大学機構が掲げる「Make New Standards for the Public」というミッションを共有し、そのうえで「学び、究め、貢献する」という本学の理念のもと、ビジョンを「地域と人類の課題解決に貢献する『地域活性化の中核拠点』となる」と定め、ビジョンを実現するための戦略を策定いたしました。
 一方、これまでにたくさんの実績を創出することができました。
 まず第1に、東海国立大学機構直轄拠点として、糖鎖コア研究拠点の発展が上げられます。昨年ネットワーク型共同利用・共同研究拠点として認定されましたが、本年は更に「ヒューマングライコームプロジェクト」として大規模学術フロンティア促進事業という国家プロジェクトとしての発展が期待されます。また、新たな糖鎖コア研究棟の完成も楽しみです。
 第2に、航空宇宙研究教育拠点での成果が上げられます。研究開発事業から8件の特許出願に至り、研究成果についても6件が現場導入に至りました。また、名古屋大学との連携で、クライマックスシリーズも盛大に執り行われました。さらに、岐阜県との連携では、「宇宙プロジェクト研究会」の発展や、宇宙工学講座やハイスクールサットなど、高大連携のプロジェクトも、リカレント教育とともに、大きな収穫を上げることができました。
 第3として、アカデミックセントラルの活動が上げられます。全学共通教育共同授業の開始や数理・データサイエンス・AI教育プログラムの開講を行いました。名古屋大学との単位互換授業や大学施設の相互利用、大学院博士学生への支援など大幅に拡大いたしました。今後のSociety5.0を牽引する人材の育成などが加速されることを期待します。
 第4として、カーボンニュートラル推進と環境対策の推進です。カーボンニュートラルは社会や大学にとっても極めて重要な案件です。カーボンニュートラル推進室の設置により、東海国立大学機構におけるカーボンニュートラル(CN)推進の司令塔として、大学や地域の、環境における課題の解決、エネルギ-の省エネ、畜エネ、創エネを含めた対策を強化しております。

2023年の岐阜大学の展望
 さて、2023年の発展についてお話しします。昨年度の更に特筆すべき点は、文部科学省や内閣府などからの5つの補助金事業を獲得することができたことです。本年はいよいよ本格的に、「ぎふのミ・ラ・イ・エ構想」の実現に向けてさらに多くの発展が期待できます。
 まず第1に、「産学連携推進事業費補助金(地域の中核大学の産学融合拠点の整備)」が採択されました。これにより新たな産学連携施設の建設が予定されており、産学官金の連携の推進やスタートアップ支援など、TOKAI-PRACTISSの実現を目指します。
 2つ目は、「地域中核大学イノベーション創出環境強化事業」の採択により、東海国立大学機構内での大学横断プロジェクトの実施と、地域展開ビジョンに基づくイノベーション創出による研究者の意欲の向上と研究力強化を推進、これが可能となりました。
 3つ目は、「地域活性化人材育成事業(SPARC)」すなわち、「ぎふ地域創発人材育成プログラム~地域活性化を目指した知的基盤の構築~」この採択により、岐阜市立女子短期大学や中部学院大学と国立大学、公立大学、私立大学の連携を強化します。数理データサイエンス、アントレプレナーシップ教育など共通の教育プログラムをつくるとともに、地域ラボ設置により、地域の産官学金との連携を高め、地域を活性化する仕組みづくりを進めていきます。
 4つ目は、「大学の世界展開力強化事業」採択により、ジョイントディグリープログラム協定校であるインド工科大学グワハティー校との地域を含めた国際展開の発展が期待されます。本年はさらに本事業により、Joint-International Certificate制度を設置し、「グローカル高度専門人材」教育プログラムを創生することになります。また、昨年は全国ジョイントディグリープログラム協議会が設置され、岐阜大学が会長校として役割を果たす事ができたのも大きな収穫です。
 5つ目は、「大学経営改革補助金」として、「研究体制改革による大学経営基盤好循環の形成 ~生命科学分野へのリソース集中を端緒とする研究力強化~」が採択されました。これにより、「地域ライフサイエンス拠点の中核をなす医獣薬一体型非臨床研究センターの構築」が可能となり、研究力強化や産学官連携による外部資金の獲得などの好循環を巻き起こし、大学全体の経営改革に寄与する仕組みを構築いたします。One Medicine トランスレーショナルリサーチセンターの設立が本年1月に行われ、いよいよ発展に向けての基盤の整備を行います。本年は更に他大学との連携を拡張し、地域中核大学としての発展を目指します。
 2024年には岐阜大学近傍に高速道路のインターチェンジが開通し、岐阜薬科大学の全面移転も計画されています。岐阜市が計画している、大学を中心とした黒野地区のライフサイエンス拠点構想を実現すべく努力したいと思います。
 これらの発展の実績や計画、ビジョンをステークホルダーの皆様と共有し、皆様とともに夢の実現に向けて躍動する1年にしたいと思います。

 以上、岐阜大学のこれまでの実績と2023年の展望を申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。
 本年が皆様にとって素晴らしい年になりますよう心よりお祈り申し上げます。

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