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令和3年 新年挨拶

 コロナ禍の中、新年を迎えました。これまでに経験したことのない様々な制約の下でも、私共には出来得る限りの工夫を凝らし、高等教育と研究に邁進していく責務があります。またそのような努力の中から、教育研究のイノベーションが生まれてくると考えます。

 それでは岐阜大学における昨年の特記事項を踏まえた上で、今年の展望を申し述べます。

 まず名古屋大学との法人統合により、2020年4月1日「国立大学法人東海国立大学機構」が発足、私共は国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学となりました。「地域は世界に通じ、世界は地域に通じる」というコンセプトのもと、「地域活性化の中核拠点であると同時に、強み、特色を有する分野において全国的、国際的な教育研究拠点の形成を目指す」岐阜大学は、機構という大きなプラットフォームを得、アカデミック・セントラルを中心とする教育拠点、また所謂研究4拠点を推進しています。

 機構関連の主要プロジェクトとして、上記の拠点群はいずれも当初の見込みよりかなり早い進捗を示しており、特に航空拠点は今年4月のセンター建屋開設が予定され、同じく糖鎖拠点も国際的な共同利用・共同研究組織の形成に向けた動きを加速します。

 一方、岐阜大学独自の教育研究として次の3点を強調したいと思います。
 まず医療者教育学修士課程が2020年4月1日に開設され、すでに第2期生まで入学者選考が済んでいます。いずれも2.3倍という競争率とともに多様なバックグラウンドを持つ修士課程生が就学し、全国的な注目度も高く、まず当初の目標は達成できると考えます。早くも次の発展が議論され始めています。
 また本年4月1日には新たな学位プログラムである社会システム経営学環が立ち上がります。これは地域の諸方面から強い要望を受け設置するもので、経営学の学士号を与える学部相当の教育組織です。学内のみでなく名古屋大学からも支援を得、特に地域密着型という特徴のある経営学教育が提供されます。
 さらに教育学部附属学校も2020年4月から義務教育学校化され、都市型の義務教育学校カリキュラム開発が精力的に進んでいます。

 さて、コロナ禍に直面した教育機関にとって最も重要な課題は、対面教育とe-ラーニングのベストマッチをそれぞれの大学が見出すことです。

 2020年度当初はコロナ対応のため全面的なe-ラーニングを提供せざるを得ませんでしたが、6月以降、対面教育を順次回復しています。今後は両者のベストマッチを見出し、かつ確立することが喫緊の作業となります。教育の到達目標によっては、例えば知識習得型プログラムであればe-ラーニングのほうが達成度が高いかも知れません。課程単位から各コマ、すなわち15+1時限のコマ単位まで、きめ細かく検討していく必要があります。ただしこの検討にも教育効果をアウトカム指標とした科学的な根拠が必須です。結論を出すまで数年かかるのも止む無しと考えます。

 最後に今年度の行事ですが、昨年延期されたエンジン01は10月8日(金)-10日(日)に開催の予定です。詳細は改めてお知らせします。

 以上、2021年の方向性について概略を申し上げ、新年ご挨拶と致します。皆さん方にとって良い年となろうことを祈念いたします。


令和3年1月4日  
岐阜大学長 森脇 久隆  

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