平成27年度岐阜大学入学式 学長告辞

新入生の皆さん。入学お目出度う御座います。
本日,1,292名の平成27年度入学者をキャンパスに迎えることは,私どもにとってこの上ない喜びであり,岐阜大学教職員を代表して心から歓迎します。入学の喜びと勉学の意欲に燃える皆さんのフレッシュさを私どもも頂戴し,一緒に新たな勉学の場につくことができるという嬉しい気持ちで一杯です。またこの場をお借りして,今日まで皆さんを支えて下さった保護者の皆様,諸先輩方にも衷心よりお祝い申し上げたいと思います。
さて告辞を始めるに当たりまず岐阜大学の歴史を紹介し,少し自慢させて頂いた上で,皆さんが卒業し,社会で中堅として活躍するに至る,ほぼ10年先までの大学の将来計画を申し上げ,以降の告辞につなげたいと思います。岐阜大学の創立は,予備校などの受験資料では1949年になっています。しかしそれぞれの学部はスライドに示すとおり古い前身を持ち,中でも教育学部の前身である岐阜師範学校は明治7年,1874年の創立で昨年140周年の記念式典が行われました。ここまで遡ると我が国で4番目に古い大学として位置づけられています。ソフト,ハード両方のアーカイブが学内のみでなく市内にも残されていますので,何れ探訪して頂くことも面白いかと思います。

岐阜大学の海外協定大学は44に及び,キャンパスにはいつも300~400名の外国人留学生がいます。皆さん日本語がそこそこ上手で,英語も今日の新入生程度には話して下さいます。せっかくのチャンスですからどんどん国際的な交流に努めて下さい。また出来るだけ早い機会に海外への飛躍にも挑戦して下さい。スライドは昨年,応用生物科学部の学部学生がiGEMという国際研究コンテストにチャレンジしたときの写真です。背景のハインズ・コンベンション・センターは米国のマサチューセッツ州ボストンにある由緒ある会場で,写真の諸君は見事銀賞を獲得しました。岐阜大学には,学生のこのような海外挑戦を支援する仕組みが既に充実しています。
さてこの後は大学生活において心がけて頂きたいことを幾つか申し上げます。
まず勉強の仕方がこれまでとは全く違うことをしっかり認識して下さい。高校までは学校でした。今日からは大学です。これまでは授業でした。今日からは講義です。諸君もこれまでは生徒でした。今日からは学生です。ではどこが違うのか。これから諸君が学ぶのは既存の学問体系に加え,教授陣が個別に血の出るような努力を重ね築いてきた,個性的な自然科学体系であり,人文科学体系であり,社会科学体系です。諸君はそれらを学んだ上で,自分自身の科学大系を独自に構築していく,これが大学での勉強になります。
もう一つ申し上げておきたいことは,大学における勉学は自分の責任において社会人としてなす行動でもあると言うことです。大学の新入生としてキャンパスに入った段階で,諸君はすでにgentlemanでありladyです。私どもはもちろん,社会はそういう目で見,また期待をします。大学という社会で諸君はladyあるいはgentlemanであるべく,あらゆるチャンスをとらえ努力を積み重ねていってほしいと思います。
最後に私ども自身の覚悟も申し上げます。岐阜大学は先に述べたとおり「学び究め貢献する」人材を育てる場です。教職員自身も常に自分がそうなるべく,新入生諸君とともに努力を重ねるのは当然と,私は考えます。ともによき大学人であるべく手を携えて進んでいきましょう。
今日からのキャンパスライフを大いに充実したものとし,また楽しんで下さいと申し上げ,告辞を閉じます。
本日はおめでとうございました。
平成27年4月7日
岐阜大学 学長 森脇久隆