大学案内

岐阜大学と鳥取大学が一体となり,より発展的な獣医学教育を展開する。

応用生物科学部「共同獣医学科」

遠隔システムを使った講義や,教員や学生が移動して行う授業など
多彩な教育システムの中で,基礎知識と両大学の特性を生かした専門力を養い,
現代社会に通用する国際性を身に付けた獣医師の育成を目指します。

応用生物科学部
共同獣医学科
Joint Department of Veterinary Medicine

学生,教員ともに少人数である獣医学教育の充実化を図るために,全国の国立獣医大学は共同教育課程制度を導入しています。岐阜大学では平成21年度から鳥取大学と行っている連携教育を基盤として,平成25年度に設置。学生は本籍を置く大学で履修登録し,受講します。遠隔講義などを通して多くの教員から学ぶことで,より専門的かつ幅広い知識を養成します。また両大学の学生が同時に受講する講義や実習・演習もあり,学生同士の交流も生まれています。単なる足し算的な教育ではなく学びの相乗効果を狙っています。

 共同獣医学科の授業は「獣医学教育モデル・コア・カリキュラム」を軸に進めています。これにより,獣医学生が修得すべき基盤的知識を教授するという目的のもと,偏在傾向にあった教育内容を修正し,卒業後あらゆる分野で活躍できる人材の育成が可能になりました。さらに,これだけでは特色的な学びを得ることができないため,発展的で専門性の高い「アドバンス教育」の授業も行っています。例えば,岐阜大学には狂犬病研究の第一線で活躍する教授が在籍していますし,鳥取大学は鳥インフルエンザの研究で国内外に知られています。こうした専門的な研究や最先端の情報をより多く学ぶことができるのは共同獣医学科の強みだと思います。さらに学生は両大学の教員の授業を受講することができるので教育分野がより幅広くなり,また自分が興味を持った専門分野も深く学べます。

 岐阜大学ではこれらの授業に加え,「教養基礎力養成演習」や「大学教育導入演習」を行っています。「教養基礎力養成演習」は学生を少人数のグループに分けて行う授業で,ディスカッション形式の倫理教育をはじめ,レポートやプレゼンテーションの授業では教員や大学院生が個々の能力に合わせて細かく指導。研究発表などをする上での基礎を身に付けます。また「大学教育導入演習」は畜産試験場や競走馬のトレーニングセンターで現場実習を行います。他にも両大学の学生が同じ科目を同時に受講できる遠隔講義や,教員や学生が移動する授業などがあり,学生たちはより多くの教員や友人と知り合うことができます。実際にお互いの大学を行き来し,ともに学び,交流する様子はとても楽しそうです。

 学生にはこうした多彩な授業を通して学んだ基礎力や専門知識を生かし,国際性や社会性を身に付けた獣医師になってほしいと願っています

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大学教育導入演習Ⅰ・Ⅱ  対象学年:1・2年


1年生では岐大生が鳥取に移動し,2年生では鳥大生が岐阜に移動して受講する。獣医学の多様性を実体験するため,鳥取では産業動物の飼養管理などを学び,岐阜では伝統文化である「鵜飼」をテーマにした講義などを受ける。両大学の学生が一堂に会し,宿泊や移動をともにすることで,学生同士の交流が深まり,共同学科としての一体感が醸成されるのもこの授業の大きな特徴である。


教養基礎力養成演習  対象学年:1年


少人数教育により学生個々の能力に合わせて指導し,論理的思考能力を養う。演習項目は「倫理」,「レポート・日本語能力」,「プレゼンテーション」。「倫理」では,ディスカッション形式で倫理的思考力を養成するとともに,動物福祉・倫理についても取り上げる。「レポート・日本語能力」では,チューターがレポートを添削し,個別にアドバイスする。「プレゼンテーション」では,データ解析力やコミュニケーション力を養成する。


参加型臨床実習、公衆・家畜衛生インターンシップ実習  対象学年:5年


現場に身を置き,獣医師として必要な資質や知識を体験学習する。参加型臨床実習のうち,犬や猫などの小動物臨床は岐阜大学附属動物病院で,牛など産業動物臨床は学外の診療現場で実施する。また,公衆・家畜衛生インターンシップ実習では,全国の家畜保健衛生所や食肉検査所で実地研修を行う。


遠隔講義・教員移動型授業  対象学年:全学年


遠隔講義では,教員が一方の大学で講義を行い,他方の学生はモニター越しに講義を受けることで,両学生が同じ講義内容を修得できる。また,教員が他方の大学に移動して行う授業では,学生は直接教員から指導を受けられ,教員も学生と直に接して教育効果を上げられるという利点がある。。


アドバンス教育  対象学年:5・6年


基盤教育科目を修得し終えた5・6年生が対象。感染症の制御や野生動物の管理,産業動物の疾病診断など最先端の専門領域に特化した科目や,国内外の施設で実地研修を行うインターンシップ演習が開講される。学生たちは自らの興味に基づいて受講科目を選択し,専門的知識を深めることができる。


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学生インタビュー

動物病院の実習で飼い主の感情を目の当たりに。
言葉を選んで伝えることを大切にしたい。

岐阜大学応用生物科学部 獣医学課程6年
堀 井 和 広 さん

遠隔講義や移動型の授業では,同じテーマでも先生によって専門性や話す内容が違い,多彩な考え方を学ぶことができました。1年生の頃,ある先生が「教科書の知識は動物の命をもって明らかにしたこと。その重みを意識して」と話されました。5年生の動物病院の実習で,獣医師が飼い主に症状の説明をしたところ,飼い主が泣き出してしまったんです。その時,命を扱う仕事であることを改めて実感し,先生の言葉の意味が理解できました。社会に出ても,シーンに合わせて言葉を選んで伝えるということを大切にしていきたいです。


実験や解剖を通していただいた動物の命を
しっかりと生かして学んでいきたい。

岐阜大学応用生物科学部 共同獣医学科2年
中 西 諒 花 さん

小学生の時に犬を飼い始めたことをきっかけに,伴侶動物や産業動物,公衆衛生などいろいろなことが学べる獣医学の道を選びました。少人数の授業ではプレゼンやレポートの書き方など将来必要となることが学べました。「大学教育導入演習」では鳥取で大規模な牛舎が見られ,現地の学生とも交流を深められて楽しかったです。動物福祉や動物実験の倫理を考える実習ではマウスを自分で安楽死させ,解剖する授業を行い,命の重さを考えさせられました。これから先の実習でも命をいただくからには,必要なことをしっかり学びたいと思っています。

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