大学生のメンタルヘルスを可視化するシステムを開発 -学生にも即時に結果をフィードバック-
岐阜大学保健管理センターの堀田亮准教授は、国際標準の心理指標であるCCAPS日本語版を用いて、大学生のメンタルヘルスを可視化するWeb回答システム「CCAPS-iQAS」を開発しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大は未だ終息に至らず、大学生のメンタルヘルスへの影響は大きな社会問題となっています。本システムは、回答した学生に対して自動かつ即時に結果がフィードバックされ、相談窓口の連絡先や、結果に応じた相談を促すメッセージも表示される機能を搭載しています(図1)。このような機能は他に類を見ないもので、その研究成果と意義が高く評価され、日本学生相談学会発行の学生相談研究に掲載されました。本システムは岐阜大学をはじめ、複数の大学ですでに実装されています。

図1 「CCAPS-iQAS」の回答結果画面
発表のポイント
- 国際標準の心理指標であるCCAPS(シーキャップス)注1) の日本語版を用いて、大学生のメンタルヘルスを可視化するWebシステム「CCAPS-iQAS(シーキャップスアイキャス)」注2) を開発しました。
- CCAPS-iQASに回答した学生には、自身の結果が自動かつ即時にフィードバックされます。同時に学内の相談窓口の連絡先が表示され、基準値より高い(メンタルヘルスに不調が見られる)学生には相談を促すメッセージが表示される機能が搭載されています。
- 岐阜大学では定期健康診断の受診学生とカウンセリングを受ける学生に対して本システムを実装しており、複数の他大学でも導入が始まっています。
詳しい研究内容について
大学生のメンタルヘルスを可視化するシステムを開発
学生にも即時に結果をフィードバック
論文情報
- 雑誌名:学生相談研究 43巻2号, 182-193ページ
- 論文名:CCAPS ウェブ回答システム(CCAPS-iQAS)の開発
- 著 者:堀田 亮(岐阜大学保健管理センター)
用語解説
- 注1) CCAPS:
Counseling Center Assessment of Psychological Symptomsの略。米国で開発された大学生の心理・精神症状の測定に特化した国際標準の心理指標。米国では750以上の大学で導入されている。日本語版は堀田准教授が研究代表者となり開発した。 - 注2) CCAPS-iQAS:
CCAPS-internet-based Quick Assessment Systemの略。本システムの詳細はWebサイトもご参照ください。
「CCAPS-iQAS」Webサイト
https://sites.google.com/benkyoenkai.org/ccaps/index?authuser=0