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CSF(豚熱)発生前後の岐阜市金華山における イノシシ個体群の動向をはじめて把握

 国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学 応用生物科学部の鈴木正嗣教授,淺野玄准教授,同附属野生動物管理学研究センターの池田敬特任准教授,國永尚稔元研究員の研究グループは,「岐阜市金華山一帯のイノシシ被害対策協議会」の中で,金華山におけるイノシシ生態調査を実施しています。
 その過程で,本研究グループは岐阜市と岐阜森林管理署と協力し,カメラトラップ調査で,CSF発生前後の岐阜市金華山におけるイノシシ個体群の動向をはじめて把握しました。
 本研究成果は,学術誌「Journal of Veterinary Medical Science」に2020年5月19日付で掲載されました。

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2017年8月から2019年12月までの岐阜市金華山における100日当たりのイノシシの撮影頭数

本研究発表のポイント

  • カメラトラップ調査により,岐阜市でのCSF発生(2018年9月)の前から後で,岐阜市金華山のイノシシの相対的な個体数と齢構成を比較しました。
  • 金華山のイノシシ個体群は,CSF発生前の2017年や2018年と比べ,発生後の2019年では明らかに個体数が減少していました。
  • 一方で,個体群の幼獣の割合は3年間で全く変化していませんでした。
  • CSFウイルスはイノシシの個体数に一時的には影響を与えますが,幼獣は成長すれば繁殖に参加できるため,翌年の個体数にあまり影響を与えない可能性があります。
  • 以上のことから,イノシシがCSFウイルスに感染しても生存する可能性を念頭に置きつつ,イノシシの個体数管理に合わせて,豚農場や農地へのイノシシ対策を講じる必要があります。

詳しい研究内容について

CSF(豚熱)発生前後の岐阜市金華山における イノシシ個体群の動向をはじめて把握

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2020.05.21

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