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前庭神経核のグルタミン酸作動性神経細胞が前庭系を介する低体温応答に関与していることを発見

 岐阜大学大学院医学系研究科神経統御学講座生理学分野の安部力准教授と森田啓之名誉教授は,前庭系を介する低体温応答に前庭神経核のグルタミン酸作動性神経細胞が関与していることを初めて発見しました。この神経細胞をウイルスベクターにて除去すると,過重力曝露による低体温応答が軽減しました。さらに,あらかじめこの神経細胞の刺激トレーニングを行っても,同様の軽減効果がみられました。
 本研究成果は,英国の国際誌「Communications Biology」(電子版)に2020年5月8日付(日本時間18時)に掲載されました。

前庭系:平衡感覚を司るシステム

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本研究発表のポイント

  • 過重力曝露による低体温応答には,末梢前庭器の慢性刺激による交感神経活動低下が関与している。
  • 過重力曝露による低体温応答には,橋・延髄領域の前庭神経核におけるグルタミン酸作動性神経細胞が関与している。
  • 前庭系の可塑には,前庭神経核グルタミン酸作動性神経細胞の関与が考えられる。

詳しい研究内容について

前庭神経核のグルタミン酸作動性神経細胞が前庭系を介する低体温応答に関与していることを発見

論文情報

  • 雑誌名:Communications Biology
  • 論文名:VGLUT2-expressing neurons in the vestibular nuclear complex mediate gravitational stress-induced hypothermia in mice
  • 著 者:
    Chikara Abe, Yusuke Yamaoka, Yui Maejima, Tomoe Mikami, Shigefumi Yokota, Akihiro Yamanaka, and Hironobu Morita
  • DOI: 10.1038/s42003-020-0950-0
  • 論文公開URL: https://www.nature.com/commsbio/

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2020.05.11

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