記憶の鍵となる受容体を働かせる仕組みを解明 -4つのパーツを0.1秒毎に組み立て直して働かせるメカニズム-
岐阜大学研究推進・社会連携機構 生命の鎖統合研究センター(G-CHAIN) 鈴木健一 教授は,京都大学,沖縄科学技術大学院大学と共同で,脳の記憶と学習に重要な働きをするタンパク質分子であるAMPA型グルタミン酸受容体が働くときに,どのように分子が組み立てられて働くのかを解明しました。
AMPA型グルタミン酸受容体はてんかん発作の原因分子としても知られ,受容体のチャネル活性を制御する拮抗剤も治療薬として注目されています。本成果により,学習記憶の分子機構の理解や,関連する疾患への新たな治療薬の開発につながることが期待されます。
本研究成果は,2019年11月20日(水)に,国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。
詳しい研究内容について
記憶の鍵となる受容体を働かせる仕組みを解明
-4つのパーツを0.1秒毎に組み立て直して働かせるメカニズム-
論文情報
- 雑誌名:Nature Communications
- 論文名:AMPA receptors in the synapse turnover by monomer diffusion
(シナプスにおけるAMPA受容体のターンオーバーは単量体が担う) - 著 者:
Jyoji Morise, Kenichi G.N. Suzuki#, Ayaka Kitagawa, Yoshihiko Wakazono, Kogo Takamiya,
Taka A. Tsunoyama, Yuri L. Nemoto, Hiromu Takematsu, Akihiro Kusumi#, and Shogo Oka#
#本研究全体に関する共同責任著者 - DOI:10.1038/s41467-019-13229-8