研究成果

古墳時代の気候変動と人間活動の密接な関係 大垣市荒尾南遺跡の花粉化石が語る歴史

 岐阜大学教育学部の勝田長貴准教授らの研究グループは,岐阜聖徳学園大学と共同で岐阜県大垣市の荒尾南遺跡*1の花粉分析*2を通じて,弥生時代から古墳時代における気候変動と人々の生活様式の変遷を明らかにしました。
 本研究成果は,国際第四紀学連合(INQUA)の国際誌Quaternary International誌Volume 519に掲載されました。

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花粉化石の例。弥生時代から古墳時代の地層から、人の活動を示す(a-b)イネ科栽培種や、(d)ソバ属の花粉が発見された。 (c)はイネ科野生種の花粉を示し、イネ科栽培種と形態やサイズが異なる。スケールは20ミクロン。

  • *1 荒尾南遺跡:
    濃尾平野の北西部にある弥生時代から古墳時代にかけての遺跡。東海地方では最大級で,約370万点に及ぶ土器類などのほか,住居跡,水田耕作跡,大溝と呼ばれる幅10メートル,長さ450メートルの遺構などが見つかっている。
  • *2 花粉分析:
    堆積物中に含まれる花粉や胞子を,薬品処理などによって取り出し,プレパラートにした後,生物顕微鏡で観察することで,種類の特定と出現頻度を求める手法である。花粉分析は,植物学,地理学,考古学,気候学などで行われている。

本研究成果のポイント

  • 紀元前250年~紀元後250年の荒尾南遺跡周辺は温暖な時期であり,稲作を中心とした農耕が行われていた。
  • 紀元後250年~750年,特に600年~750年は顕著な寒冷期となり,稲作を中心とした農耕を放棄し,周辺の山麓で焼畑農耕を行った。
  • 紀元後750年以降の温暖期は,再び稲作を中心とする農耕が行われた。
  • 紀元後600年~750年の寒冷化は古墳寒冷期と呼ばれ,過去8000年間で最も寒冷な時期であったことが知られており,濃尾平野北西部の人々は,縄文時代の焼畑農耕への一時的な回帰によって気候変動に適応した可能性が明らかとなった。

詳しい研究内容について

古墳時代の気候変動と人間活動の密接な関係
   大垣市荒尾南遺跡の花粉化石が語る歴史

論文情報

  • 雑誌名:Quaternary International
  • 論文名:Late Holocene climatic impact on vegetation and human activity in central Japan, recorded in sediment at Arao-Minami archaeological site, northwestern Nobi Plain.
  • 著 者:
     Sayuri Naito, Nagayoshi Katsuta, Shin-ichi Kawakami, Yoshimitsu Koido, Hiroshi Shimono
  • DOI:https://doi.org/10.1016/j.quaint.2019.04.019

2019.09.09

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