研究・採択情報

精密鍛造の第三の基本工法「切削鍛造加工法」を発明

 岐阜大学工学部機械工学科の王志剛教授は,精密鍛造において工具の圧力が従来の10%程度で加工できる「切削鍛造加工法」(以下「本加工法」)を発明し,特許申請しました。切削加工において発生する連続切りくずの生成原理を応用し,切り除かれた材料を製品形状の一部として生かす,新しい概念の加工法です。

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切削鍛造の加工イメージ(①→②→③とカップの底部が上方向に移動します)
加工により切削された被加工材の側面は厚みが小さくなり、カップ底部は厚みが大きくなります
(クリックすると拡大します)

本研究成果のポイント

  • 精密鍛造において工具の圧力が従来の10%程度で加工できる「切削鍛造加工法」を発明。切削加工で発生する連続切りくずの生成原理を応用し,切りくずを製品形状の一部として生かす,新しい概念の加工法。「据込み」と「押出し」に続く,精密鍛造の第三の基本工法となりうる。
  • 従来は精密鍛造での加工が困難な大きさ・形状・硬度の部品も加工できるようになる。カップの底部の位置を,強度を弱めずに自由に変えるような,従来できなかった加工ができる。
  • 従来は鋳造や熱間・温間鍛造または溶接で加工されていた部品が精密鍛造に代替される可能性があり,製造コスト低下や強度アップにつながる。
  • 自動車部品に用いられるハイテン(高張力鋼)など硬い素材も加工できる。
  • 精密鍛造の金型にかかる負担を軽減し,金型寿命が伸びる。
  • サイズが大きく,複雑な断面形状をもつ,高強度の材料を用いた精密中空部品の加工に適しており,自動車や機械などの部品の製造に用いられる可能性が高い。

詳しい研究内容について

従来工法の10%の工具圧力と同じ生産速度で冷間鍛造を行う新概念の加工技術
 精密鍛造の第三の基本工法「切削鍛造加工法」を発明


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2019.05.17

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