研究成果

石田 教授(生命の鎖統合研究センター),今村 准教授(応用生物科学部)らが,世界初,ギランバレー症候群先行感染菌の糖鎖の化学合成に成功

 生命の鎖統合研究センター長・応用生物科学部 石田秀治教授,応用生物科学部 今村彰宏准教授,生命の鎖統合研究センター 田中秀則助教らの研究グループは,カンピロバクターjejuni(ジェジュニ)の糖鎖を世界で初めて化学合成することに成功しました。
 本研究成果は,欧州の化学論文誌"Chemistry A European Journal"(電子版)に、2018年12月14日付(日本時間)に掲載されました。

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筋肉の軸索表面の糖鎖(ガングリオシド GM1)を抗体が攻撃するイメージ

本研究成果のポイント

  • 難易度が高い複雑な糖鎖の合成

本研究成果の意義

 カンピロバクターjejuniの表面に存在する糖鎖は,筋肉に神経信号を伝達する軸索の表面に存在する糖鎖であるガングリオシド(ガングリオシドGM1)と一部の構造が似ています。そのため,カンピロバクターjejuni(抗原)に感染したときに体が生み出す抗体が,軸索表面のガングリオシドを抗原と誤って攻撃することで、筋力が低下し,自己免疫疾患であるギランバレー症候群を発症すると考えられています(糖鎖相同性仮説)。カンピロバクターjejuniの糖鎖は,微量にしか存在せず,多様性があり,混入物を避けてこの糖鎖だけ取り出して実験をすることが困難です。そこで今回,化学合成した糖鎖を実験に用いることで,カンピロバクターjejuniを原因とするギランバレー症候群の発症メカニズムの解明(糖鎖相同性仮説の裏付け),ひいては治療法の解明に繋がると考えられます。

詳しい研究内容について

世界初,ギランバレー症候群先行感染菌の糖鎖の化学合成に成功~ギランバレー症候群の発症メカニズムや治療法の解明に繋がる研究成果~

論文情報

  • 掲載雑誌:Chemistry A European Journal
  • 論文タイトル:
    Synthesis of the Core Oligosaccharides of Lipooligosaccharides from Campylobacter jejuni: A Putative Cause of Guillain-Barre Syndrome
    (カンピロバクターjejuni由来のリポオリゴ糖のコアオリゴ糖の合成:ギラン・バレー症候群の推定発症原因)
  • 著者:吉田文+[a],吉仲宏揮+[a],田中秀則+[b],花島慎弥[c],山口芳樹[c],石原幹生[a],三郎丸みゆき[a],加藤裕貴[a],齋藤里紗[a],安藤弘宗[b],木曽真[a],今村彰宏*[a],石田秀治*[a, b]
    ( +:equal contributionによる筆頭著者、*:責任著者)
    [a] 岐阜大学応用生物科学部
    [b] 岐阜大学研究推進・社会連携機構生命の鎖統合研究センター
    [c] 理化学研究所 理研グローバル研究クラスター
    構造糖脂質研究チーム システム糖脂質研究グループ
  • 公開日:2018年12月14日(金)(日本時間)
  • DOI:10.1002/chem.201804862

【関連リンク】

2018.12.19

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