研究成果

応用気象研究センター長 吉野純准教授 台風の進路形成メカニズムの解析方法を開発

異常な進路をとる台風や線状降水帯などの予測精度向上に期待

 現在、台風の進路予報は、観測データと物理法則に基づきコンピュータ計算を行う「数値予報」によって行われていますが、台風がなぜその進路をとったのかというメカニズムを説明することはできません。このたび、国立大学法人岐阜大学 工学部附属応用気象研究センター長の吉野純准教授は、「渦位」と呼ばれる物理量の特性に着目して風速、温度、気圧データから台風周囲の全渦位※1を算出し、それを 6 種類の渦位に分解し、台風自身の渦位を除いた台風の進路に影響を与える 5 種類の渦位が作り出す風速をそれぞれ推定することで、台風の進路形成メカニズムを解析する方法を開発しました。2016 年に観測史上初めて東北の太平洋側に上陸した台風 10 号(1610 号)の進路を解析した論文※2が今年 7 月に土木学会に採択され、10 月に出版予定です。
 今後はこの解析方法の応用により、異常な進路をとる台風や線状降水帯などの予測精度向上に繋がることが期待されます。

※1:渦位(うずい)とは、回転している空気塊や水塊を、体積を変化させずに回転軸方向に伸縮させたときに保存される物理量のこと。
※2:「渦位部分的逆変換法に基づく台風 1610 号の進路解析」(吉野純、中田勇輝、古田教彦、小林智尚)

主な研究者

吉野 純(工学部附属応用気象研究センター センター長)
    /工学部社会基盤工学科 准教授)

本解析方法「渦位部分的逆変換法」の特徴

 渦位には可逆性原理と呼ばれる性質があり、風速ベクトル、高度、温度から渦位へと順変換するだけでなく、その逆に変換することもできます。この原理を用いて、台風のある時点の風速、温度、気圧データから、台風周囲の全渦位を算出し、それを 6 種類の渦位(MPV 月平均渦位、PPVT 台風渦位偏差、PPVU 上層正渦位、PPVL 下層正渦位、NPVU 上層負渦位、NPVL 下層負渦位)に分解することで、台風以外の周辺の 5 種類の渦位が総合的に台風をどのように移動させているのかを解析します。。

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2017.09.20

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