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市民公開講座「ワンヘルスを考える」を開催しました

 大学院共同獣医学研究科は、2024年3月18日(月)、じゅうろくプラザにおいて、市民公開講座「ワンヘルスを考える」を開催しました。本講座には、一般市民を中心に32名の参加がありました。
 ワンヘルス(One Health)とは、人・動物・環境が密接に関連し合っていると捉え、専門家や関係者が協力して、分野横断的な課題解決のために活動するという考え方です。
 本研究科では、獣医学だけでなく、人獣共通感染症や薬剤耐性菌など、人・動物・環境を含めた幅広い分野の国際的課題に取り組む先端的な研究を推進しています。それらの研究で得られた知見や他機関での研究における新しい知見を紹介し、市民の方々と交流することを目的に、毎年、市民公開講座を開催しています。
 今回の講座では、岐阜を含む東海地方でどんなワンヘルスアプローチを構築できるかについて多面的に考える機会として3人の講師が講演を行いました。
 宮崎大学産業動物防疫リサーチセンターの岡林教授は、「宮崎県におけるSFTS対策の取組(小さな繋がりから大きな輪へ)」について講演しました。ワンヘルスの観点から、ウイルスを保有しているマダニに刺されることにより感染するダニ媒介感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に対する宮崎県での状況、連携の取組、課題などについて紹介しました。
 国立国際医療研究センター AMR臨床リファレンスセンター臨床疫学室の松永室長は、「薬剤耐性対策に関する医療分野の取組(ヒト動物環境分野の情報と普及啓発)」について講演しました。病気を起こすウイルスや細菌、真菌に対して、抗菌薬が効かない、又は効きにくくなる薬剤耐性菌について、ヒトだけではなく、動物についても環境を踏まえた抗菌薬の適正使用に配慮が必要であることを説明しました。
 岐阜大学大学院共同獣医学研究科 人獣共通感染症学研究室の伊藤教授は、「ワンヘルスの視点から狂犬病を考える」について講演しました。ワンヘルスやワンメディスン(創薬に関する医学・獣医学分野に蓄積された知見の統合)の視点から、海外及び国内における狂犬病の現状と課題について紹介し、感染症対策におけるワンヘルスの重要性を強調しました。
 講演の後には総合討論を行い、多くの参加者から身近なことや専門的なことについての質問が寄せられ、活発な議論が行われるなど、市民の方々との交流を図る有意義な機会となりました。
 本学は、今後も地域社会と連携し、ワンヘルスの理念を実践し、より健康で持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでいきます。

宮崎大学岡林教授の講演の様子
宮崎大学岡林教授の講演の様子
国立国際医療研究センター病院松永室長の講演の様子
国立国際医療研究センター病院松永室長の講演の様子
岐阜大学伊藤教授の講演の様子
岐阜大学伊藤教授の講演の様子
総合討論の様子
総合討論の様子

2024.04.02

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