お知らせ

AsiaFlux研究ネットワーク20周年記念国際ワークショップを開催しました

 9月29日(日)~10月5日(土),本学流域圏科学研究センター(以下,本センターという)はAsiaFluxおよび国立環境研究所とともに「AsiaFlux2019‐20th Anniversary Workshop‐」を開催しました。
 このワークショップは,国際協力による共同研究と若手人材育成を目指すAsiaFlux(アジアフラックス)研究ネットワークが,設立して20周年を迎えることを記念して開催されました。
 森林や草原,農地などの陸上生態系は,植物の光合成や蒸散によって大気中の温室効果ガス濃度を調節する機能を有しており,近年の大気中のCO2濃度の上昇や気候変動,及び人間による土地利用は,これらの生態系機能に大きな影響をもたらすことが懸念されています。
 本センターは産業技術総合研究所との協力によって,1993年に高山試験地(岐阜県高山市)にアジア地域で初めて森林の二酸化炭素吸収量を観測する施設を建設して以来,国内外の関連研究コミュニティとの共同研究を続けています。
 9月29日(日)~10月1日(火)は岐阜大学キャンパス内で若手研究者向けのトレーニングコースを開催し,10月2日(水)~5日(土)には高山市内において本会合および高山試験地見学会を実施しました。
 本会合には約180人が集まり,そのうちおよそ半数は中国,マレーシア,タイ,韓国,アメリカ,イタリアなど10以上の国と地域からの参加者でした。本会合はAsiaFlux委員長のYu Guirui中国科学院教授による開会宣言,および森脇久隆学長によるビデオメッセージで開幕し,森林などの生態系における炭素循環メカニズム,これまで未解明なことが多かった土壌圏に関する新たな知見,気候変動が生態系にもたらす影響,人工衛星による生態系機能の観測,生態学と地球科学の融合に関するセッションが組まれ,44件の口頭発表と93件のポスター発表によって3日間にわたる熱心な議論が行われました。また,粟屋本センター長から,AsiaFluxの発展に貢献した方々へ功労賞が授与されました。高山試験地の見学会では25年以上にわたる分野横断的な観測システムについて特に海外の研究者の関心を呼びました。
 流域圏科学研究センターでは国内外の研究機関や大学,研究ネットワークと協力して今後も森林生態系と気候変動に関する研究教育を発展させていきます。

高山市内の会場での集合写真
高山市内の会場での集合写真

2019.10.25

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