看護学科保健師課程の学生によるハンセン病療養所訪問
7月17日(水)に,医学部看護学科の3年次生保健師課程の学生4名及び教員1名は,県のハンセン病入所者交流事業の支援を受け,授業の修得内容をさらに深める目的で岡山県にあるハンセン病国立療養所『邑久(おく)光明園』を訪れました。くしくも,国の隔離政策によって,元患者の家族への差別被害に対し,国の賠償責任を認めた判決が出た直後の訪問となりました。
ハンセン病は非常に長い歴史をもつ病気であり,かつ差別偏見の歴史でもあります。地域看護学分野では,かねてより2年次生の授業の中で,ハンセン病の元患者の方を本学にお招きし,国の隔離政策で家族の絆を断たれ,差別や偏見によって苦難を強いられた人生から,ハンセン病について学び,考える機会を設けています。
今回は,直接現地に赴き,岐阜県出身の入所者の方との交流や学芸員の方による講話から,非常に多くのことを学び,島の外に出ることを許されず,筆舌に尽くしがたい苦労をされてきた人生に,学生たちは,胸が張り裂けるような思いでした。
一方で,学生たちは今回の訪問に向け,入所者の方に少しでも楽しんで頂けるよう,交流会企画を考え,当日に臨みました。交流会では,手作りの「岐阜県ご当地かるた」や「思い出カレンダー作り」など,学生ならではの発想で企画を盛り上げました。特に「岐阜県ご当地かるた」では,強制的に島に連れてこられた入所者の方にとって,当時,岐阜での懐かしい記憶や思い出を語り合う場となり,大変貴重な時間を過ごすことが出来ました。
参加した学生たちは,現地での交流を通じ,これまでのハンセン病における差別や偏見,元患者や家族が置かれた苦難などから,人々の人権や家族への支援についても考えるきっかけとなり,「将来医療に携わる者として,同じ過ちを犯してはならない」と語っていました。
2019.07.31
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