お知らせ

留学生と日本人学生のための能楽(能・狂言)ワークショップ」を開催しました

 本学グローカル推進機構日本語・日本文化教育センター(以下日文センター)は,7月10日(水),日文センター和室において「留学生と日本人学生のための能楽(能・狂言)ワークショップ」を開催しました。このワークショップは,サマースクール(受入)で2005年度から開始された日本事情講義「能の講義」と,同じく2007年度から実施の「狂言の講義」が母体となっています。2014年度からは,それまで別日に行なっていた能・狂言それぞれの講義を同一日にまとめ,「能楽」というジャンル全体を体感できるワークショップに進展させました。講師の先生方の熱のこもった楽しいワークショップは留学生に大変好評で,これを留学生等の岐大生のみに提供するのは惜しいと考え,現在は教職員や一般の方の参加も歓迎するものとなっています。今年度の参加者は,サマースクール参加学生,留学生,日本人学生,教職員,学外からの一般参加者あわせて約80名でした。

 今年度の新しい試みとして,昨年度から今年度にかけて整備を進めている日文センター和室を会場としました。同和室は,80畳以上の広さを誇る本学の目玉ともなる施設です。ワークショップ開始に先立ち,講師としてお招きした観世流シテ方の味方團(みかたまどか)先生と田茂井(たもい)廣道(ひろみち)先生(以上能の講師),大蔵流狂言方の山口(やまぐち)耕道(こうどう)先生と茂山(しげやま)忠三郎(ちゅうざぶろう)先生(以上狂言の講師)は,会場にて森脇学長と歓談しました。

 講師の先生方は,毎年度工夫を加えてワークショップを実施していただき,今年度は,前半に能,後半に狂言,最後に留学生モデルへの能装束の着付けという内容で進めていただきました。

 最初の能のパートでは,代表的演目のひとつである「石橋(しゃっきょう)」が披露されました。学生たちは約8分の演技を,正座をしながら息を呑んで鑑賞しました。その後,能楽の簡単な歴史についての話を聞き,実体験に移りました。先生に従って「高砂」を声高らかに謡いあげ,能の動き方のひとつである「小回り」の練習では,足が絡まって転びそうになりながらも,真剣に挑戦しました。

 コメディの狂言ではシリアスな能に対して,笑いが重要な要素です。参加者たちは今までにないほどの大声を出して「大笑い」をし,和室の壁も天井も揺れんばかりでした。狂言には擬音語も多く用いられますが,先生方から「狂言の動物の鳴き声クイズ」が出題され,参加者は頭を捻りました。続いて,狂言鑑賞として「寝音曲(ねおんぎょく)」を楽しみました。言葉が完全には分からなくとも,芸能の力で多くの国から集まった人々が一緒に笑い声を上げる素晴らしい場面でした。

 ワークショップの最後には,サマースクール参加学生のひとりがモデルとなり,能装束の着付けが行われました。今回は男性の学生がモデルになり,長身に装束が映え,参加者たちのシャッターを切る音が響きました。(かつら)をつけ唐装束を着した美しい姿と,鬼になった迫力ある姿,このふたつの装束が披露されました。

 プロの方による本物の日本の文化を間近で見聞きし体験できるこのワークショップは,本学にとってかけがえのないイベントとして定着しています。

 今後も,グローカル推進機構では,本物の日本文化に触れる機会を提供する活動を展開していきます。

能面の説明をする先生方
能面の説明をする先生方
「高砂」の練習
「高砂」の練習
能装束の着付け
能装束の着付け
参加者の集合写真
参加者の集合写真

2019.07.18

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