お知らせ

講演会「日本茶に人生をかける―スウェーデン人が語る日本茶の魅力―」を開催しました

 平成28年1月20日(水),グローカル推進本部・留学生センター共催により講演会「日本茶に人生をかける―スウェーデン人が語る日本茶の魅力―」を開催しました。今冬初の大雪にもかかわらず,本講演には学生,教職員,学外の方々82名が参加し,大盛況となりました。
 講師を務めたのは,静岡県農林技術研究所茶業研究センター研修生のブレケル・オスカル氏です。ブレケル氏は,本学留学生センターの第10期日本語・日本文化研修コース修了生で,猛勉強の末,スウェーデン人初となる「日本茶インストラクター」となりました。国内外において日本茶に関するセミナーを開講しているほか,テレビやラジオ等,様々なメディアにも出演し,多方面から日本茶の普及活動に取り組まれています。
 本講演では,日本茶が持つ他のお茶にはない特徴を,製造工程の違いや淹れる温度との関係,水質が及ぼす風味への影響など,例を挙げて解りやすく説明してくださいました。また,日本茶の魅力の一つである繊細さと,それ故の取扱いの難しさ,茶葉が持つ奥深さについて熱弁をふるわれました。聴衆は,身近な存在でありながら,普段あまり自覚することのない日本茶の魅力に,興味深く耳を傾けていました。
 さらに,講演の途中で,ブレケル氏は静岡から少し早い「春」を届けてくださいました。ブレケル氏が持参されたのは,桜葉の香がする珍しい茶葉で,「水出し」という手法で抽出されました。試飲した来場者は,日本茶特有の甘みと旨味,繊細な春の香を味わうことができました。ブレケル氏は,生産者のコスト面での負荷や後継者不足等日本茶業界が抱える課題にも触れ,今後,奥が深く素晴らしい日本茶が消えないよう,日本茶業界の活性化に対する意気込みを語られました。
 質疑応答では,ブレケル氏が目指す,海外での日本茶産業へのアイディアに対して質問が集中しました。本講演は,日本茶の魅力を認識するとともに,日本文化の発信による地域産業の活性化について考える機会となりました。

講演するブレケル氏 
試飲の様子
質疑応答の様子