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排ガス中の窒素酸化物を除去する新しい反応法を開発し,実用化【工学部・神原教授】

受賞研究のポイント 】   ・   【 受賞内容 】   ・   【 研究の概要 】   ・   【 受賞論文

受賞研究のポイント

  • 排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去する新しい反応法を開発し,実用化しました。
  • 触媒を使わずに低温で脱硝(だっしょう)できるため,環境対策装置の低コスト化を実現しました。

   ※脱硝...排ガス中から,窒素酸化物を除去すること。

受賞内容

 平成25年7月11日,本学工学部・神原信志教授の研究内容が,一般社団法人日本機械学会環境工学部門研究業績賞を受賞しました。
 日本機械学会:機械工学に関する研究分野を広く網羅した学会。
          1897年設立,会員約36,000名,日本学術会議協力学術研究団体。

研究の概要

 近年の環境問題に対する意識の高まりから,中小規模の燃焼設備でも窒素酸化物(NOx)の厳しい濃度規制が,地域協定等で実施されるようになり,脱硝設備の設置が必要となってきています。大規模燃焼設備では選択的触媒脱硝法(SCR)が多く用いられていますが,中小規模の燃焼炉では設置面積や設備コストの面で,無触媒脱硝法(SNCR)が望まれています。しかし,SNCR における反応温度範囲は高温域にあり,中小規模の燃焼炉では反応時間を十分確保できないため,脱硝率が低下するという課題があります。その課題の解決には,反応温度範囲を低温側に拡大する技術が必要です。
 今回の受賞研究は,大気圧バリア放電で発生させたプラズマ中にアンモニアを通過させ,それを排ガス中に吹き込む新しい反応法の研究開発により,従来の無触媒脱硝法の反応温度領域を大幅に低温下させるとともに脱硝効率を向上させることに成功したことによるものです。
 また,燃料電池排水素のプラズマ常温無触媒酸化,N2Oのプラズマ分解処理,光化学分解を利用した無触媒脱硝法の開発など,長年に渡り独創的な新規反応場における環境浄化の手法を提案してきた業績は,国内外から高く評価されています。

受賞論文


2013.08.27

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