第25回 日本を変える野生動物管理学
第25回岐阜シンポジウム
多数のご参加ありがとうございました。
基調講演では,酪農学園大学の赤坂猛教授が「野生動物管理と法・制度-国,都道府県,市町村の役割・責務-」と題して,野生動物問題の解決を目指すうえで,野生動物に関する法律やそれを執行する組織・制度が重要であることを述べ,鳥獣保護法などの法改正の必要性についてお話しいただきました。
赤坂猛教授
多くの方が聴講されました
質疑応答の様子
このほか,応用生物科学部の角田裕志准教授,森部絢嗣助教,淺野玄准教授が,野生動物と人間社会の研究,野生動物管理のための教育,野生動物管理と獣医学の関わりについて講演を行いました。
質疑応答では,高校生などの参加者から質問が相次ぎ,とても有意義なシンポジウムとなりました。
- 【日 時】 平成24年11月3日(土) 10時~12時30分
- 【場 所】 岐阜大学講堂
- 【お問い合わせ】岐阜大学 学術国際部 研究支援課
いま,野生動物をめぐっては農林水産業被害や人身事故など様々な問題が生じており,その背景には,日本の歴史や経済政策等に関わる重層的な要因があるとされています。したがって,これからの野生動物と人間との付き合い方を考えるにあたっては,生物学のみならず社会科学の分野も含む,複合的な観点から取り組む必要があります。
さらに,このようなアプローチは,日本における従来型の地域社会や行政機構,自然保護等のあり方や諸政策を,包括的に見直すことにもつながります。
そこで本シンポジウムでは「日本を変える野生動物管理学」をテーマに,野生動物管理学の第一線で活躍しておられる方々を演者に迎え,行政・政策学,社会学,教育学,生態学,獣医学を含む学際的な立場から,研究の成果や現状の課題,将来展望について紹介します。
基調講演
『野生動物管理と法・制度
-国,都道府県,市町村の役割・責務-』
赤 坂 猛 氏(酪農学園大学・農食環境学群環境共生学類・教授)
この四半世紀,我が国の中・大型哺乳類の分布域は拡大傾向にあります。これらの野生動物による農林業等被害は近年増加傾向にあり,全国各地で大きな社会問題を引き起こすなど,適正な野生動物管理が求められています。一方,明治以降の野生動物問題,即ち人と野生動物の関わりを観ていくと,近年大きく様変わりしていることが判ります。明治から昭和30,40年頃までの「過剰ともいう毛皮や肉資源利用」から,近年は一転し総じて「過剰利用から解放」されてきています。このような変遷に加え外来種問題や生物多様性保全等の視点も踏まえつつ,現在の野生動物問題に対処していく必要があると考えます。ここでは,野生動物行政の直面する問題として,1.野生動物に関する法律間の整合性を図り国・都道府県・市町村の役割・責務を明確にすること,及び2.野生動物行政を支える研究組織の整備の必要性について取り上げます。
一般講演
『野生動物管理と人間社会
-「人」と「社会」の側面から野生動物管理を考える-』
角 田 裕 志 氏
(岐阜大学・応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター鳥獣対策研究部門・准教授)
一般講演
『野生動物管理を支える教育
-基礎研究への理解からマネジメントまで-』
森 部 絢 嗣 氏
(岐阜大学・応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター鳥獣対策研究部門・助教)
一般講演
『野生動物管理における獣医学の貢献』
淺 野 玄 氏(岐阜大学・応用生物科学部・准教授)
- 入場無料・申し込み不要(ただし団体参加の場合は,事前にご連絡ください)
- 当日は岐大祭も開催しております。様々な屋台が出店予定ですので,ぜひお立ち寄りください。
- 午後からは,第二食堂で岐阜大学が誇る最先端の研究発表のパネル展示も開催されます。あわせてご参加ください。
【関連ファイルダウンロード】
- 第25回岐阜シンポジウムチラシ(PDF:1,652KB)
- 第25回岐阜シンポジウムパンフレット(PDF:3,079KB)
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