第51回 岐阜大学フォーラム
大学の基本は学問にあり,大学活動のすべては学問から派生するものでなければなりません。岐阜大学を活性化するため,優れた学問を発展させてきた一流の研究者による講演会を定期的に開催しています。
ぜひ,多くの皆さまにご参加いただきますよう,ご案内申し上げます。
第51回 岐阜大学フォーラム
多数のご参加ありがとうございました。
- 日 時 : 平成30年6月1日(金) 16時~17時15分
- 場 所 : 岐阜大学講堂
- 参加費 : 事前申込不要・無料
【講 演】 16時~17時15分
『21世紀日本と世界の医療』
2019年日本医学会総会会頭
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター名誉院長
齋 藤 英 彦 氏
医療の役割は,人々の健康の向上を助け,疾病の予防,診断,治療により健康長寿を実現することである。
本日は医療を二つの面から見てみたい。第一は,日本を始めとする医療の現状と課題である。時代とともに変化する人口構成,疾病の種類と医療技術の発展により,医療は大きく変わりつつある。医療提供制度は国民が拠り所とする最も重要な社会保障制度であるが,国の経済力により影響をうけることを免れない。今後の長高齢・人口減少社会での医療のあり方を議論することは重要である。本講演では,我が国の医療の現状と直面する課題,欧米各国の医療提供制度の比較,私の経験した日米医療の相違,人々の健康に影響する医療以外の社会的要因(social determinants of health)につき考えてみたい。
そして第二には,21世紀に実現することが期待される革新的医療技術(特に現在注目されている iPS 細胞を中心とする再生医療)について紹介したい。