第47回 岐阜大学フォーラム
多数のご参加ありがとうございました。
平成28年6月1日(水)に,岐阜大学は創立67周年を迎えます。
この日を記念して,本学講堂において創立記念日行事を行い,その中で,下記のとおり第47回岐阜大学フォーラム(記念講演)を開催します。
本フォーラムは,本学が大学の活性化に取り組むとともに,地域社会に貢献することを目的として,優れた学問を発展させてきた一流の研究者による講演会を定期的に開催しているもので,毎年、一般の方にも多く参加いただいております。
今年度は,岐阜県出身の芥川龍之介賞受賞作家で早稲田大学文学学術院教授である堀江敏幸氏を迎え,「言葉のあとさき」をテーマに講演いただきます。
ぜひ,多くの皆さまにご参加いただきますよう,ご案内申し上げます。
第47回 岐阜大学フォーラム「言葉のあとさき」
- 日 時 : 平成28年6月1日(水) 16時00分~17時15分
- 場 所 : 岐阜大学講堂 (案内図)
- 対 象 : 一般市民,学生,教職員
- 参加費 : 無料
講 演
『言葉のあとさき』
早稲田大学文学学術院 教授
堀 江 敏 幸 氏
私たちが使っている言葉は,これまで受け継がれてきた言葉の蓄積から成り立っています。その切れ目のない運用によって過去は現在に引きあげられ,未来へと手渡しされてきました。
ひとつの言葉のなかには,使い手の直接知らない時空と可能性が凝縮されていると言ってもいいでしょう。書き手は,過去を抜き出し,それをとりあえず現在に重ねているにすぎません。
しかし,過去を踏まえ,現在に寄りかかっているはずの言葉が,じつは未来を予見していたのだと,「あとになって」わかってくるのです。この「あとになって」という宿命的な「遅れ」に対して,書き手はいつも無力を感じています。事後にしか明らかにならないことを,事前にどう表現しうるのか。解決しようのないこの問題について,「あとさき」を考えず,自由に語ってみたいと思います。