第34回 岐阜大学フォーラム
多数のご参加ありがとうございました。
内山 節氏は,自然とは何か,人間は自然とどのような関係をつくりながら生きてきたかの話に始まり,近代については,東日本大震災の事例から,「東日本大震災は,津波という自然の災禍だけでなく,原発事故という文明の災禍と二重の災禍をもたらした。私たちがつくり出した文明から,危機を起こしているという現状を認識する必要がある」と指摘しました。
また,講演の最後に,「私たちは今まで歴史とともに発展してきたと考えてきたが,実はそうではなかったかもしれない。自然環境について考えることは,この社会を見つめ直すことになるのではないか」と語られました。
第34回 岐阜大学フォーラム「環境ユニバーシティフォーラム」
「自然環境について考える -『文明の災禍』ということ」
- 日 時 : 平成24年11月15日(木) 16時10分~17時40分
- 場 所 : 岐阜大学全学共通教育棟 多目的ホール
基調講演
『自然環境について考える -『文明の災禍』ということ』
講師 :内 山 節 氏
哲学者,NPO法人・ 森づくりフォーラム代表理事
近著:『ローカリズム原理~新しい共同体をデザインする~』(農文協 2012年)
「自然とは何か」という問いに対する答えは地域によって異なる。とすると日本の人々は自然をどのようなものとしてとらえ,自分たちの社会をつくってきたのであろうか。人間たちは自然とどのような関係をつくりながら生きてきたのか。そのことによってどのような自然環境が生れてきたのか。
近代=現代的世界は自然を人間が征服し,管理するものとしてとらえようとした。この人間中心主義は自然環境を破壊していったばかりではなく,征服し管理する人間の力を競い合う時代をつくりだした。それが市場での競争や効率を重視する社会を生みだし,今日の市場原理主義的な世界をも生みだしてしまった。
この時代のもつ異常さを明らかにしたのが原発事故でもあった。自然環境を考えることは,近代以降の社会を問いなおすことでもあり,この社会をどう作り直すのかという課題でもある。
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- 第34回岐阜フォーラムポスター(PDF:213KB)
問合せ先:岐阜大学環境対策室 TEL:058-293-2117