研究・採択情報

医学部入試の多様性推進、受験者の背景考慮に課題

全国の医学部リーダーへの調査で認識の違いを可視化

 近年、家庭の経済状況や教育環境にかかわらず、医師を目指せる機会をどのように保障するかが問われています。
 岐阜大学医学教育開発研究センター(MEDC)の招へい教員である鈴木康之名誉教授、野村理教授、西城卓也教授らの研究グループは、全国の医学部長や医学教育責任者らを対象に、学生の多様性と入学者選抜に関する認識を調査しました。調査の結果、回答者は、社会経済的に多様な学生を受け入れることや進学機会の拡大を支持していました。一方、選抜で重視する項目としては、認知能力や非認知能力、人間性などに比べ、社会経済的に不利な背景への評価は低いことが分かりました。
 本研究は、医学部入試における公平性を考えるための基礎資料となるものです。
 本研究成果は、2026年10月14日に国際学術誌「Medical Teacher」にオンライン掲載されました。

図
医学部リーダー131人の回答分布(全17項目)
各帯の青色の割合が大きいほど、当該設問への同意が強いことを表す

本研究のポイント

  • 全国82医学部の医学部長や医学教育責任者らを対象に、学生の多様性と入学者選抜に関する認識調査を依頼し、131人から回答を得ました。
  • 回答者は学生の社会経済的多様性の拡大を支持する一方、入学者選抜では能力や人間性をより重視していました。
  • 進学機会の拡大には、選抜方法だけでなく、「能力」や「公平性」をどのように捉えるのかについて議論することが重要だと示唆されました。

詳しい研究内容について

医学部入試の多様性推進、受験者の背景考慮に課題
~全国の医学部リーダーへの調査で認識の違いを可視化~

論文情報

  • 雑誌名:Medical Teacher
  • 論文名:Perceptions of medical school leaders towards widening participation: a Japanese survey
  • 著 者:Yasuyuki Suzuki, Osamu Nomura, Koji Tsunekawa, Yuko Takeda, Takuya Saiki
  • DOI:10.1080/0142159X.2026.2743051