メダカの排卵のタイミングは環境で変わる
実験室と野外の比較で見えた繁殖リズム
本学教育学部の古屋 康則教授は大阪公立大学大学院理学研究科の研究チームと共同で、実験室環境と屋外に水槽を設置した野外に近い環境におけるメダカの排卵のタイミングを比較し、各環境において4日間で144匹のメスを調べた結果、野外に近い環境のメダカは、実験室より約3.5時間早く排卵していることが分かりました。
本研究成果は、2026年3月4日に総合科学の国際学術誌「Royal Society Open Science」にオンライン掲載されました。
二つの飼育条件下(赤:実験室、青:野外に近い環境)における排卵していたメスの割合。野外条件では実験室条件と比較して排卵の開始がより早く、実験室条件では3.5時間の遅れが観察された。上部のバーは明期(白)と暗期(黒)を示す。〇の大きさは匹数を表す。
本研究のポイント
- 実験室環境では、一般的なメダカの飼育条件である人工照明を14時間点灯・10時間消灯、水温を26℃に設定して、メダカを飼育した。野外に近い環境では、メダカの繁殖期初期の5月〜6月に屋外水槽を置いて自然の日照のもとで、実験室環境で用いたものと同じ系統のメダカを飼育した。
- 各環境における実験では、オスとメスのペアを水槽に入れ、1時間ごとにメスを取り出し、卵巣を顕微鏡で観察して排卵の有無を確認した。
- 各環境において4日間で144匹を調べたところ、メスの半数が排卵を完了する時刻は、野外に近い環境では日の出の約4.2時間前、実験室環境では照明点灯の約0.7時間前であった。つまり、野外に近い環境では、実験室より約3.5時間早く排卵していたことが判明した。
詳しい研究内容について
論文情報
- 雑誌名:Royal Society Open Science
- 論文名:Temporal shifts in ovulation between laboratory and semi-natural environments in the model fish medaka
- 著 者:Yuki Kondo, Ryotaro Kobayashi, Yuya Kobayashi, Yasunori Koya, Satoshi Awata
- DOI:10.1098/rsos.251946