神経科学研究に貢献するRbfox3-iCreマウスの開発 -「新しいマウスモデルで脳と体の研究を加速」-
岐阜大学 高等研究院One Medicineトランスレーショナルリサーチセンター (COMIT) 村田知弥 特任准教授、応用生物科学部 橋本美涼 助教らの研究グループは筑波大学との共同研究で、成熟神経マーカーであるRbfox3 遺伝子座に改良型DNA組換え酵素Cre(iCre)をノックインした新規マウスモデルを開発しました。さらにCreによる遺伝子組換えを蛍光により可視化できるマウスを用いた解析により、Rbfox3-iCreマウス中枢神経系および末梢組織における遺伝子組み換えの場を明らかにしました。
本研究成果は、日本時間2025年2月13日にFASEB BioAdvances誌のオンライン版で発表されました。

図1. Rbfox3-iCreノックインマウスの概要
本研究のポイント
- 成熟神経マーカーとして知られるRbfox3遺伝子座に、改良型DNA組換え酵素Cre(iCre)をノックインし、特定の細胞型での遺伝子組換えを可能にする新しいマウスモデルを開発しました。
- 中枢神経系での遺伝子組換え・・・このマウスモデルを用いて中枢神経系での遺伝子組換え活性を確認し、それらはグリア細胞ではなく神経細胞に限局されることを確認しました。
- 末梢組織での遺伝子組換え・・・坐骨神経に加え、心臓、膀胱、精巣などの末梢組織で遺伝子組換え活性が確認されました。
詳しい研究内容について
神経科学研究に貢献するRbfox3-iCreマウスの開発 -「新しいマウスモデルで脳と体の研究を加速」-
論文情報
- 雑誌名:FASEB BioAdvances
- 論文名:Characterization of the Rbfox3-IRES-iCre knock-in mouse: Revealing gene recombination activity in neural and non-neural peripheral tissues
- 著 者:Shiho Nishino*, Misuzu Hashimoto*, Swapna Paramanya Biswas, Natsuki Mikami, Yoshikazu Hasegawa, Hayate Suzuki, Woojin Kang, Seiya Mizuno, Kazuya Murata#(*同貢献度、#責任著者)
- DOI:https://doi.org/10.1096/fba.2024-00143