研究・採択情報

そっと覗いて観ていたら新事実が判明! 野生のメダカは夜明けではなく深夜に産卵を開始する

 ミナミメダカ(以下、メダカ)は、これまで実験室での研究から日の出の前後1時間に産卵を開始すると考えられてきましたが、自然環境での繁殖行動については十分に調べられていませんでした。
 岐阜大学教育学部の古屋 康則教授、大阪公立大学大学院理学研究科の近藤 湧生特任助教、岡本 鼓都里氏(当時、理学部4年)、北向 祐人氏(博士前期課程1年)、安房田 智司教授らの研究チームは、2023年7月~8月に岐阜県岐阜市の川において、午後9時~翌朝午前5時までのメダカの様子を水面上からビデオカメラで撮影し、その行動を分析しました。その結果、産卵は午前0時頃から行われることが分かりました。また、メダカの活動量は午前0時以降に増加しはじめ、午前1時~午前3時に多くなることが分かりました。さらに、オスの求愛行動は午前0時以降に顕著に増加し、特に午前2時~午前3時に多くなることが明らかになりました。本研究結果により、自然環境のメダカの産卵開始時刻は、従来考えられていたよりも早い時間帯であることが分かりました。
 本研究成果は、2025年2月13日(日本時間)に国際学術誌「PLOS ONE」に掲載されました。

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図1 調査地である小川のメダカ

発表のポイント

  • 従来、メダカは日の出の前後1時間に産卵を開始すると考えられていたが、野生のメダカの産卵は午前0時頃から確認できた。
  • メダカの活動量は午前0時以降に増加しはじめ、午前1時~午前3時に多くなった。
  • オスの求愛行動は午前0時以降に顕著に増加し、特に午前2時~午前3時に多くなった。

詳しい研究内容について

そっと覗いて観ていたら新事実が判明!
野生のメダカは夜明けではなく深夜に産卵を開始する

論文情報

  • 雑誌名:PLOS ONE
  • 論文名:Medaka (Oryzias latipes) initiate courtship and spawning late at night: Insights from field observations
  • 著 者:Yuki Kondo, Kotori Okamoto, Yuto Kitamukai, Yasunori Koya, Satoshi Awata
  • DOI:10.1371/journal.pone.0318358