研究・採択情報

ニホンオオカミの高深度ゲノム: ニホンオオカミはイヌに最も近縁なオオカミ

 イヌは最も古くに家畜化された生物であり、ハイイロオオカミ(以下オオカミ)を起源としています。これまでイヌに近縁なオオカミが報告されていなかったため、イヌは絶滅したオオカミのグループを起源とするのではないかと推定されていました。そのため、イヌの起源についてはいまだに謎とされていました。本研究ではニホンオオカミ9個体と日本犬11個体の高深度ゲノム(1)を決定して以下の主要な点を明らかにしました。

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主要なポイント

  • ニホンオオカミは単一起源の遺伝的に他のオオカミとは異なる独自のグループであること。
  • ニホンオオカミはイヌのグループに最も遺伝的に近縁なオオカミであること。このことからイヌのグループは東アジア起源だと推定されました。
  • ユーラシア大陸の東側のイヌのゲノムにはニホンオオカミの祖先のゲノムが含まれていること。日本犬のゲノムにもニホンオオカミの祖先のゲノムが2-4%含まれています。

詳しい研究内容について

ニホンオオカミの高深度ゲノム: ニホンオオカミはイヌに最も近縁なオオカミ

論文情報

    • 雑誌名:Nature Communications
    • 論文名:Japanese wolves are most closely related to dogs and share DNA with East Eurasian dogs
    • 著 者:
      ・五條堀淳(総合研究大学院大学 講師)
      ・荒川那海(総合研究大学院大学 特別研究員)
      ・Xiayire Xiaokaiti(総合研究大学院大学 講師 / 現 中国社会科学院 研究員)
      ・松本悠貴(アニコム先進医療研究所株式会社)
      ・松村秀一(岐阜大学 教授)
      ・本郷一美(総合研究大学院大学 准教授)
      ・石黒直隆(総合研究大学院大学 客員研究員 / 岐阜大学 名誉教授)
      ・寺井洋平(総合研究大学院大学 准教授)
    • DOI: 10.1038/s41467-024-46124-y

用語解説

    • (1) ゲノム
      1個体が持つすべての遺伝情報