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ナノオブジェクト固有の細胞毒性を評価するための手順を定めたISO 19337:2023が発行 -ナノオブジェクトの適正な利用促進に期待-

 これまで、ナノオブジェクトの細胞毒性評価は、評価者によって結果が異なるという問題がありました。東海国立大学機構 岐阜大学と国立研究開発法人 産業技術総合研究所は、この原因解明に取り組み、通例の化学物質とは異なるナノオブジェクトの毒性を評価する上での重要なポイントを見いだしました。見いだしたポイントを公知化するとともに、ISO会議にて各国関係者と合意形成することで、これら重要なポイントとそれぞれの解決手順を規定した国際標準ISO 1) 19337の発行に至りました。
 本標準に基づいた評価を行うことにより、誰もが国際同等性の保証されたナノオブジェクト固有の細胞毒性の評価が可能になりました。発行された国際標準は、毒性評価方法の基盤として、国内外の産業分野におけるナノオブジェクトの適正な利用を促進することが期待されます。

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発表のポイント

  • 生物学者と計量学者の連携により、それぞれ単独では成し得なかったナノオブジェクトの検討すべき課題の抽出とその解決法を提供します。
  • 毒性の本質ではない影響を排除するための三つのポイントを整理し、これらを解決するための手法・手順を記載しました。
  • 本標準は、ナノオブジェクトの毒性の有無を判定するための規格ではありません。ナノオブジェクト固有の毒性を評価するための考え方と手順を提供します。

詳しい研究内容について

ナノオブジェクト固有の細胞毒性を評価するための手順を定めたISO 19337:2023が発行
  -ナノオブジェクトの適正な利用促進に期待-

用語解説

  • 1) ISO: International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称。スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関で国際的に通用するISO規格を制定する。

2023.08.08

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