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"AIの目"によるイネ収穫量の簡単・迅速推定

 岐阜大学の田中貴准教授、岡山大学(前・京都大学)の田中佑准教授、国際イネ研究所(IRRI)(前・アフリカライスセンター)の齋藤和樹博士、東京農工大学の桂圭佑准教授、国際農林水産業研究センターの辻本泰弘博士、高井俊之博士、東北大学の本間香貴教授らを中心とする研究グループは、AIを用いた画像解析によって、イネの収量を高い精度で推定する技術を開発しました。高性能のAIを構築するためには、良質かつ大量のデータを収集し、AIに学習させる必要があります。本研究ではまず、イネ研究者の国際的なコンソーシアムを構築し、様々な品種、地域、栽培環境でのイネの画像と、その画像に写った範囲のイネ収量データを世界各地で収集しました。その結果、400以上の品種、日本やアフリカなど7か国・20の地域、20,000点以上のイネ画像からなる膨大なイネ収量-画像データベースを構築することができました。この大規模データベースをAIに学習させることで、イネの画像のみから収量を推定するモデルを開発することに成功しました。完成したモデルは、日本やアフリカなど多様な環境で栽培されたイネ収量を、R2 = 0.69という高い精度で推定できることが分かりました。
 本研究成果は、国際誌Plant Phenomicsに現地時間6月29日付けでオンライン公開され、7月28日付けで出版されます。

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本研究成果の概要

発表のポイント

  • AIを用いた画像解析によって、イネの収穫量を簡便に推定可能となった。
  • 市販のデジタルカメラやスマートフォンでイネを撮影するだけ。
  • 多収品種の開発や、農家圃場の生育診断が一挙に加速すると期待される。

詳しい研究内容について

"AIの目"によるイネ収穫量の簡単・迅速推定

論文情報

  • 雑誌名:PlantPhenomics
  • 論文名:Deep learning enables instant and versatile estimation of rice yield using ground-based RGB images
  • 著 者:
    Yu Tanaka, Tomoya Watanabe, Keisuke Katsura, Yasuhiro Tsujimoto, Toshiyuki Takai, Takashi Sonam Tashi Tanaka, Kensuke Kawamura, Hiroki Saito, Koki Homma, Salifou Goube Mairoua, Kokou Ahouanton, Ali Ibrahim, Kalimuthu Senthilkumar, Vimal Kumar Semwal, Eduardo Jose Graterol Matute, Edgar Corredor, Raafat El-Namaky, Norvie Manigbas, Eduardo Jimmy P. Quilang, Yu Iwahashi, Kota Nakajima, Eisuke Takeuchi, Kazuki Saito
  • DOI番号:10.34133/plantphenomics.0073

2023.07.21

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