研究・採択情報

外科医の手術経験数に男女格差!―外科診療におけるジェンダーバイアスの克服をめざして― JAMA surgeryに発表

 外科医チームメンバーの手術執刀担当の割り振りは、各施設の外科のトップが決めていることがほとんどです。これまでの海外の研究によって、外科医の手術トレーニングに男女格差が存在することがわかっています。しかしながら、若い研修期間中に限定されている報告がほとんどであり、全ての経験年数別に比較されたものはありませんでした。
 岐阜大学の吉田和弘学長、大阪医科薬科大学の河野恵美子助教、東京大学の野村幸世准教授らの研究グループは、日本の外科手術の95%以上が登録されているNational Clinical Databaseのデータを用いて、6術式(胆嚢摘出術・虫垂切除術・幽門側胃切除術・結腸右半切除術・低位前方切除術・膵頭十二指腸切除術)における外科医1人あたりの執刀数を男女間で比較しました。その結果、全ての術式で女性外科医は男性外科医より執刀数が少ないことが判明しました。格差は手術難易度が高いほど顕著であり、経験年数の増大とともに拡大する傾向にありました(図1)。
 消化器外科に指導的立場の女性が極端に少ないのは、外科手術のトレーニングの機会が均等に与えられていないことが主たる原因であると考えられました。
 本研究成果は2022年7月27日(現地時間)に米国の学術誌「JAMA surgery」にオンライン掲載されました。

20220726.png
図1(クリックすると拡大します)

発表のポイント

  • 日本消化器外科学会によるNational Clinical Databaseを利活用した研究で、6術式(胆嚢摘出術・虫垂切除術・幽門側胃切除術・結腸右半切除術・低位前方切除術・膵頭十二指腸切除術)における外科医1人あたりの執刀数を男女間で比較しました。
  • いずれの術式も女性外科医は男性外科医より執刀数が少なく、特にこの差は難度の高い手術で顕著でした。さらにこの男女格差は経験年数の増加とともに拡大する傾向にありました。
  • 手術経験を積むことが指導的立場に就くために不可欠であることから、外科診療における男女格差是正に向け、早急な対応が求められます。

詳しい研究内容について

外科医の手術経験数に男女格差!
  ―外科診療におけるジェンダーバイアスの克服をめざして― JAMA surgeryに発表

論文情報

  • 雑誌名:JAMA surgery
  • 論文名:Surgical Experience Disparity Between Male and Female Surgeons in Japan
  • 著 者:Emiko Kono, Urara Isozumi, Sachiyo Nomura, Kae Okoshi, Hiroyuki Yamamoto, Hiroaki Miyata, Itaru Yasufuku, Hiromichi Maeda, Junichi Sakamoto, Kazuhisa Uchiyama, Yoshihiro Kakeji, Kazuhiro Yoshida, Yuko Kitagawa
  • DOI番号:10.1001/jamasurg.2022.2938

2022.07.28

アイコンの詳細説明

  • 内部リンク
  • 独自サイト
  • 外部リンク
  • ファイルリンク