学長ブログ

令和6年度(第60回)国立大学教養教育実施組織会議及び事務協議会を開催

 岐阜大学教育推進・学生支援機構基盤教育センターは、令和6年5月25日(土)に、国立大学教養教育実施組織会議及び事務協議会をオンラインで開催しました。本会は、国立大学で教養教育に携わる教職員が集まり、各大学の現状や問題点などを共有し、意見交換を行う場として、年に1度開催されています。今回は本学が当番校となり、各国立大学から照会した協議題について、分科会ならびに全体会議を実施し、延べ391名の参加がありました。
 分科会では、「大人数受講科目におけるPBL実施方策について」、「教養教育が大学教育でリードすべきアクションプラン」、「教養教育(共通教育)におけるコアカリキュラムのあり方について」、「大学体育・スポーツの意義について」など、多彩なテーマについて活発な議論が行われました。
 特に「教養教育が大学教育でリードすべきアクションプラン」では、静岡大学から、取組状況の報告と検討課題の提起があり、弘前大学からは「地域学ゼミナール」、東京農工大学からは「グローバル展開科目」、東京工業大学からは「くさび型教育」と1年次全学必修の「東工大立志プロジェクト」などの事例が紹介されました。これらを通じて、教養教育から専門教育、さらに博士課程までを見据えた段階的な学びの仕組みを、大学全体で構築する必要性が確認されました。また、本学においては、カリキュラムマップの構築により、これからの時代に必要な調査力や探究力、課題設定力など知的探求に必要な能力とファシリテーションに代表される「支援型リーダーシップ」という能力の向上を図る機会を創出し経験させることで、地球規模で各国をつないで活躍できる人材を輩出する必要があることを認識しました。
 全体会議では、文部科学省高等教育局大学教育・入試課 専門官 久保真理 氏から「高等教育政策の動向と大学教育における生成AIの影響と活用」をテーマに講演がありました。平成30年以降の学修者本位の教育のあり方に関する様々な教育政策の展開や生成AIに関する文部科学省の基本的な考え方と近年の事例、及び全国立大学への期待などが紹介され、参加者の理解を深めるよい機会となりました。
 さらに、名古屋大学から「生成AIの活用について」の取組状況の報告と検討課題の提起があり、金沢大学、横浜国立大学及び山梨大学からもそれぞれの取組状況の紹介がありました。質疑応答では、文部科学省から通知された「大学・高専における生成AI の教学面の取扱いについて」(令和5年7月13日事務連絡)に基づいた各大学の対応について、具体的な議論が交わされました。
 今回の議論を踏まえて、本学は今後、国際的に通用する人材の輩出を目指して、教養教育の質保証と専門教育の基盤確立に努めていきます。

開会挨拶する吉田学長
開会挨拶する吉田学長
講演する久保専門官
講演する久保専門官
分科会の様子
分科会の様子