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2024年 年頭のご挨拶

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 皆さん明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 先ずは、1月1日夕刻に起こりました、能登半島地震、また羽田空港で、被災地に向かう海上保安庁の航空機と日本航空の事故により、犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された数多くの皆様及びその関係の方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 能登半島地震に対しましては、岐阜大学では、1月2日に災害派遣医療チーム、D-matを災害地域に派遣いたしました。現在、第4陣の出動を行ったところでございます。引き続き、災害に遭われた皆様に、寄り添う活動を行っていきたいと考えております。
 また、1月1日震災当日から、東海国立大学機構、名古屋大学、岐阜大学の職員、教員により、施設の被災状況や学生職員の安否確認など多くの職員が尽力して頂いたこと、また医学部附属病院においては、1月4日より通常業務を行いながらの対応、大変ありがとうございました。また、岐阜大学長として、大変誇りに思います。
 岐阜大学におきましては大きな被害は報告されておりませんが、今後、災害時に対する更なる体制強化・備えをする事の重要性を痛感いたしました。

 さて、ここからは、昨年1年のこと、それから今後のことについてお話をさせていただききます。
 昨年は、大リーグ大谷選手の活躍で国民は大いに自信と勇気をいただきました。ポストコロナの新しい時代を迎えてようやく明るい未来が見え始めました。
 しかしながら我が国は高齢化社会を迎え、将来の大学入学者の減少に対し、国立大学がどうあるべきかが議論されるにいたりました。研究力を強化し、イノベーションを創出し、自立していく姿を目指すなかで、大学間の連携がキーポイントにいなると考えております。

 東海国立大学機構は、我が国で最初に総合大学同士の法人統合を果たし、多くの実績を上げつつあり、我が国の地域の大学の新たな在り方としての良いモデルとなるべく進化しているところです。
 「Make New Standards for The Public ― 知とイノベーションのコモンズとして、常に国立大学の新たな形を追求し、地域と人類社会の進歩に貢献し続けることを、存在意義とする」という東海機構のミッションを踏まえつつ、岐阜大学は地域に軸足を置き、日本トップクラスの地域の中核大学を目指して自治体や企業と連携し、地域の課題解決に具体的に貢献し、イノベーションを起こしていくことをミッションといたしました。

 さて、私の学長の任期6年のうち、昨年は2年目を迎え、基盤づくりに取り組めた1年でした。特に研究力の強化を目指し、基盤となる資金の確保に取り組みました。その結果、国の地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージと呼ばれる補助金をこの2年間で6件獲得し、大学の研究拠点の整備ができました。すなわち、大きな予算としましては、糖鎖研究におけるフロンティア事業を東海機構として獲得、教育面では、地域活性化人材育成事業(SPARC)、研究面・産学連携では、地域の中核大学の産学融合拠点(TOIC棟)の整備、航空宇宙展開枠の採択、地域の中核大学イノベーション創出環境強化事業採択、経営改革補助金採択、更に国際関係では、大学の世界展開力強化事業採択を受け、更なる事業の展開が可能となりました。

 岐阜大学の1年を振り返って見ると、糖鎖生命コア研究所岐阜新棟の竣工と文部科学大臣の訪問、モロッコ大使の訪問、リール大学、マリアナマルコス大学などの訪問、One medicineトランスレーショナルセンターの立ち上げ、宇宙プロジェクト研究会高大連携事業、応用生物学部100年記念、SPARC事業の展開、Tokai open innovation complex(TOIC棟)岐阜棟の竣工など忙しい1年でした。

 さらに、東海国立大学機構となって、4度目の正月を迎えましが、これまでに大きく4つの実績がありました。

(1)事業規模の拡大

 民間企業等からの外部資金受入額は2018年度から増加傾向にあり、岐阜大学では共同研究、受託研究、共に増加しています。

(2)5つの連携拠点支援事業による発展

 強みのある研究活動を更に充実させ、大学のブランド価値を高めることができました。昨年は新たに、内閣府が主導する「量子技術イノベーション拠点」として、我が国11番目の拠点として東海国威立大学機構が認定されました。これにより、本年新たな機構連携拠点支援事業に加えられることでしょう。

(3)大学債の発行をはじめとした財源の多様化による新規事業の立ち上げ強化

  • 2023年6月、機構として初の大学債「東海機構コモンズ債」を発行
  • 名古屋大学基金、岐阜大学基金としての活動を機構が支援、強化
  • 産学・寄付金割合が増加 (2012年度と2020年度の比較)
  • 「ヒトと動物の疾病は共通」との視座のもと、新たな連携拠点として「One Medicine創薬シーズ開発・育成研究教育拠点」を設立
  • 地域のオープンイノベーション拠点として「Tokai Open Innovation Complex岐阜サイト」を設置し、更なる外部資金獲得を強化

(4)教育基盤の充実・強化による学習環境の向上

  • ラーニング・マネジメント・システム(LMS)を統合
  • 両大学が共同で開設する授業科目を10科目から34科目へ大幅拡大
  • 学生が自己評価できるステータスシステムを両大学で構築。岐阜大学では2023年度から運用開始

等があげられ、多くの実績を上げていることを是非ともステークホルダーの皆様には喜んでいただけると幸いです。

 最後に、2024年目指すものについてお話しします。
 まず第1に、地域中核大学・特色ある研究大学強化促進事業、基金による支援に認定されることを目指します。とくに、岐阜大の強みの一つである「ものづくり」に力を入れていきます。これまで当学の強みである航空宇宙生産技術の横展開として、金型、素材、エネルギー、AI、ロボットなど、Society 5.0の時代のモビリティーへの展開などがキーになるかと思います。

 第2に国際交流の発展を目指します。国際交流では複数の大学から一つの学位を出す「ジョイント・ディグリープログラム」の推進を基盤とし、学生の誘致や、留学生が岐阜地域に残って就職してもらえるような仕組みづくりを目指します。

 第3に教育において目指す姿として、学生がのびのびと学べる環境を整備し、社会人として即戦力となる人材を育てていきます。また、日本が世界と肩を並べるために、海外の大学との連携をより強化し、大学院生の教育にも力を入れます。大学院修士課程、博士課程への支援の強化を図りたいと思います。

 そして第4にこれまで基盤の整備を行ってきた、岐阜のミライエ構想、特に、「ものづくり」「ライフサイエンス」「環境・エネルギー」領域での実績を積み上げることかと存じます。研究力の強化に伴うイノベーションの創出から地域創生に向けての好循環を生み出すことが出来ればと存じます。

 岐阜大学の教職員、ステークホルダーの皆様には、いろいろとお願いをする事も多いかと存じますが、この1年はもう一踏ん張りして、岐阜大学の更なる発展を目指したいと思います。是非ともご支援いただけると幸いです。
 以上、岐阜大学のこれまでの実績と2024年の展望を申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。
 本年が皆様にとって素晴らしい年になりますよう心よりお祈り申し上げます。

2024年(令和6年)1月9日
岐阜大学長 吉田和弘

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